まんが日本史ブギウギ

まんが日本史ブギウギ2話 乙巳の変(大化の改新)で成敗されたのは

2016/11/21

小学生6年生になって初めて歴史を授業で学んだとき、とにかく最初に覚えさせられた年号って『大化の改新』じゃありませんでした?
「ろっぴゃく、よんじゅう、ごねんは大化の改新!」
とアタマから覚えた方もいれば、
「蒸米(むしごめ)で祝う大化の改新!」
とか、語呂合わせで入った方もおられるでしょう。
聖徳太子の時代が終わりを告げて、蘇我氏の専横がいよいよ激しくなったとき、中大兄皇子と中臣鎌足が立ち上がった日本史上で最も有名な政変でありますが、少し掘り下げて見れば色々とあったようでこれが興味深い。
では早速、第2話いってみよー!

日本史ブギウギ2-1
聖徳太子亡き後、親に似て優秀との評判であった太子の子・山背大兄王(やましろのおおえのおう)が後を継ぐのか?という場面。しかし蘇我入鹿によって自害へと追い込まれ、聖徳太子の血脈は滅亡してしまいます。このとき、入鹿の父・蝦夷(えみし)が「おい、バカ息子、おまえはやりすぎだよ!」と懸念したとか。
物事は、やっぱりバランスが重要なワケで、出る杭は……なんて言葉もあるワケで。その排除を狙っていた中臣鎌足が、南淵請安(みなみぶち しょうあん渡来人系の僧侶)のもとで共に学んでいた中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)と計画を進めました。

 

日本史ブギウギ2-2
蘇我入鹿・暗殺計画には、中大兄皇子の義父である蘇我倉山田石川麻呂(そがのくらやまだいしかわまろ)も同志として参加しておりました。
計画は、石川麻呂が大極殿(だいごくでん・朝廷の正殿)で天皇に上奏文を読み上げているときに入鹿を斬るというもの。しかし、ガクブルしながら冷や汗まで流したために、「おまえ、なんやねん?」と入鹿につっこまれ、「いや、なんでもないっす、天皇の前だからっす」と苦し紛れに言い訳したというから、いやぁ、この事件も生々しいですよね。
入鹿を斬る係の2名は震えてなかなか動けず、結局、中大兄皇子が自ら前へ。控えていた2名も慌てて後に続き、ようやく入鹿に斬りかかって、この一大政治事変は一応の成功とあいなりました。

 

日本史ブギウギ2-3
古人大兄皇子(ふるひとのおおえのみこ)は舒明天皇の第一子であり、同時に入鹿のイトコでもありました。ゆえに次期天皇の候補とされており、蘇我一派であったと目されていただけに、事件直後は吉野で出家。
蘇我氏という超強大な後ろ盾を失って何もできない状況と思われますが、吉備笠垂(きびのかさのしだる)から密告を受けた中大兄皇子が攻め立て殺害いたしました。大化の改新というと蘇我氏一族だけが殺されたかのような印象かもしれませんが、全体的に苛烈な粛清が行われていたんすね~。
テストには出ないような話だけに、全体像を把握するためには覚えておくのも良さそうです。

 

日本史ブギウギ2-4
大化の改新で内大臣に出世した蘇我倉山田石川麻呂。
一族の蘇我日向による密告で謀反を企てているとされ、結局、自害へと追い込まれてしまいます。
この一件は中大兄皇子&中臣鎌足コンビによる陰謀だったという説が強く、入鹿暗殺計画に携わった者たちの口封じだったんですかね。いやはや血なまぐさい話でござんすが、ともかくこれにて中大兄皇子が天智天皇となり、新しい世の中が始まります。
と言っても、その直後から弟・大海人皇子(後の天武天皇)との関係もこじれたりして、これがまた興味深い展開となりまして……。来週を乞うご期待!

著者:アニィたかはし

武将ジャパンで新感覚の戦国武将を描いた『戦国ブギウギ』を連載。
従来の歴史マンガでは見られない角度やキャラ設定で、日本史の中に斬新すぎる空気を送り続けている。間もなく爆発予感の描き手である(編集部評)

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アニィたかはし

漫画家。現在は武将ジャパンにて、まんが『大河ブギウギ べらぼう編』シリーズを連載中。 2014年より歴史漫画家として活動を開始し、2015年には連載作品をまとめた商業コミック『織田信長の戦国ブギウギ』(鉄人社)を全国発売。 以降、独自のポップ表現と歴史知識を融合させた「ブギウギシリーズ」を継続し、戦国・江戸・幕末など幅広い時代を題材とした作品を制作している。 2024年からは大河ドラマの各回を題材にした“ドラマ考証型マンガ”へと表現領域を拡大し、作品の幅をさらに広げている。 ◆主な著書 『織田信長の戦国ブギウギ』(鉄人社、2015年、ISBN:978-4865370324) ◆国立国会図書館データ https://id.ndl.go.jp/auth/ndlna/001200494

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