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全国各地の色々な枡形虎口
ではここからは色々な枡形虎口を観賞していきましょう。
まずは駿府城(静岡県)です。
見て下さい。
この堂々とした高麗門。
もう「どこからでもかかってこいや」と迫ってくるような外観です。さすが家康。
枡形虎口。やはり「左前」ですね。
次は金沢城(石川県)の河北門です。
こちらは珍しい「右前」の枡形虎口です。
城の内部にある門なので、その辺はあまり気にしていないのかもしれませんが、理由は分かりません。
赤穂城(兵庫県)には本丸にも高麗門があります。
屋根部分が高い江戸初期の造りですね。
赤穂城本丸の櫓門です。
高麗門に直角ではなく、正面を横にずらした喰違(くいちがい)虎口です。
喰違虎口も右にずらして防御性能を高めます。
次に松代城(長野県)の高麗門と喰違虎口を見てみましょう。
雪国の屋根は瓦じゃないんですねー。
さて枡形虎口にはもう一つ、隠れた機能があります。
文字通り枡で計るように人数をたやすく計ることも可能な仕組みになっています。
標準的な枡形虎口が40坪で、30騎入ると言われています。1騎につき徒士が4人付きますので150人の武者を虎口から出撃できる城だと分かります。
当然、大きな城になると虎口はさらに大きくなります。
つまり虎口の坪数が分かると、その城の一度に繰り出せる出撃能力もある程度計算できるのです。
お城に訪れた際は、観光案内の人でもつかまえて、ここの虎口は何坪あるか聞いてみましょう。
城イケメンになるための本日の一言
では、最後にお城スポットで他の観光客よりイケメンになるための一言をご指南させていただきます。
◆冠木門を見ながら…
「なあ、知ってるか?『にじゅう』を漢字変換すると冠木門が出てくるんだぜ」(そこか!)
◆高麗門を見ながら…
「小さい? 中がうかがいしれないこの構造……危険だ!何かあるな!」(早く入れよ!)
◆高麗門をくぐりながら…
「高麗門に比べて内部が広い……。危険だ!こいつは危険だ!」(いいから早く入れよ!)
◆高麗門の内側から外に向かって…
「のこのこ入ってきおって。我が高麗門を甘く見たな、ド素人が!」(他の客の邪魔だよ。ていうかいつから守備側になったんだよ)
◆枡形虎口にて…
「おいオヤジ。ここの虎口は何坪だ?」(偉そうに聞くな!しかもその人、お客だから)
◆櫓門にて…
「……ダメだ。くぐれない」(早く入れよ!)
◆櫓門をくぐる時、おもむろに連れの襟元をつかんでひきずりながら…
「若! 城内はもうすぐですぞ! すぐに手当てを致しまする」(いい加減にしろ!)
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筆者:R.Fujise(お城野郎)
◆同著者その他の記事は→【お城野郎!】
日本城郭保全協会 研究ユニットリーダー(メンバー1人)。
現存十二天守からフェイクな城までハイパーポジティブシンキングで日本各地のお城を紹介。
特技は妄想力を発動することにより現代に城郭を再現できること(ただし脳内に限る)。