西郷隆盛さんの睾丸が大きく腫れてしまったのは「バンクロフト糸状虫」のせい?
以前、そんな記事を掲載したところ(以下に関連記事あり)
西郷さんのタマが大きく腫れた原因は寄生虫?歴女医さんの見解を聞く
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妙に反響ありましたようで、本稿でも寄生虫ネタを。
「日本住血吸虫症(にほんじゅうけつきゅうちゅうしょう)」に注目です。
字面からしてなんだか薄気味悪いですよね。
しかし現実はもっと怖い。
かつては「田んぼに入っただけで寄生→死を迎える」という、原因不明の、とにかく恐ろしい寄生虫でした。
武田二十四将の一人に数えられる小幡昌盛も、日本住血吸虫症が死因と推定され、天正10年(1582年)3月6日に亡くなっています。
その特徴や事例を見て参りましょう。
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経皮感染 つまり肌から通って体内へ
日本住血吸虫は哺乳類の血管内に寄生する吸虫の一種です。
字面からして、なんだか薄気味悪いですが、れっきとした寄生虫……というのも変な言い方ですね。
名前に「日本」が入っているため、日本固有の寄生虫という印象もあるかと思います。
しかし実際には、中国やフィリピン、インドネシアなど他の国にもいて、各地でイヤ~な被害をもたらしております。
症状を聞いたら……眠れなくなりますよ(´・ω・`)
まず、大きさは雄雌で若干異なり、だいたい2㎝くらい。
このサイズにして、血管内に生息します。
この段階で想像するだけで恐怖になりません?
さらには何が怖いって、感染経路です。
日本住血吸虫は『経皮感染』いたします。要は肌から入るわけです。
となれば、もう、どうやったって防げないじゃん!
と、慌てないでください。少し詳しく説明してまいりましょう。
卵は壊死した組織と共に腸の中に落ちる!?
日本住血吸虫は、最終宿主の糞便と共に排出された卵が水中で孵化して幼生となり、次に、中間宿主のミヤイリガイに寄生。
そこである程度まで育つと、今度は最終宿主が水に浸かった時、すかさず皮膚から侵入し感染します。うげぇ~。
血管の中に入った後、虫体は門脈まで移動し、そこで成体になります。
門脈というのは、消化管から栄養を吸収した血液が、肝臓へと流れ込む部分の血管のことを指します。
あれ?
血管の中に寄生するのに、なぜ糞便中に卵なの?
そう思われた方は鋭い。
卵を産む時期になると、この寄生虫は雄雌抱き合ったまま血管を遡り、消化管に分布する細血管に移動します。
そこで卵を産むのですが、卵は細血管に詰まるため周りの粘膜組織を壊死させ、卵は壊死した組織と共に腸の中に落ちます。
つまりは体外に卵をバラ撒けちゃう!
よく、できた仕組みですが、寄生される側からしたら気持ち悪いことこの上なしです。
しかし、この卵たちが腸に落ちるのはまだ許せます。
本当に怖いのはここから……。
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