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【鳥居強右衛門】
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翌日には家康のいる岡崎城までたどり着き、長篠城の窮状を伝え援軍要請の旨を伝えたといいますから、かなり頑健な体の持ち主だったのでしょう。
運の良いことに、強右衛門が岡崎城についたときには既に家康と信長の連合軍が出発の支度を整えていました。
その数は武田軍の倍とも言われており、これを知った強右衛門は大いに喜びます。
信長も家康も「メシでも食ってちょっと休め。織田&徳川軍と共に行けばよかろう」(超訳)と言ったのですが、喜びすぎた強右衛門は「一分一秒でも早く皆に伝えないと!お先に失礼します!!」(超訳)と、来たばかりの道を猛ダッシュで戻っていってしまいます。
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走破した実距離は60km以上とも
岡崎城と長篠城の間は、直線距離にして約30数km。
走るとなると実距離は60km以上とも計算されたりしており、普通の現代人が一日で移動できる距離を超えているレベルですね。時速5kmで12時間以上走り続けなければなりません。
まぁ、鍛え抜かれたマラソンランナーが42kmを2時間ちょいで走ることを考えれば、絶対無理とも言い切れない距離です。
ともかく強右衛門は走り抜けました。
そして再び長篠城の近くまで来ると、「無事援軍が来るぞ!」という知らせとして狼煙(のろし)を上げるのです。
「脱出に成功したとき、援軍要請に成功したときは狼煙をあげる」ことになっていたからです。
しかし、これが彼の命を縮めてしまったかもしれません。
完全に包囲しているとはいえ、戦の真っ最中ですから武田軍も気を張っています。
当然見張りもそこらじゅうにいたでしょう。城の中はともかく、外から援軍が来ないとは限りませんしね。
そこに日を置かず上げられた二回ののろし……怪しまないほうがおかしいというものです。
命を賭して強右衛門は叫ぶ「援軍は来る!」
武田軍は長篠城周辺の道や農村を調べ始め、強右衛門は捕まってしまいました。
取調べによって援軍が来ることは白状してしまいましたが、彼はもう助からないことを悟って最後の意地を見せます。
勝頼に「援軍は来ない、と城に向かって叫べ!そうしたら命を助けてやろう」と命令され、城の前に立たされるのです。
そこで強右衛門は、従順に勝頼に従うフリをしながら……。
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