まんが戦国ブギウギ

まんが戦国ブギウギ 八幡城の戦い! 関ヶ原の戦いに関わる合戦で最もグダグダ

2017/01/29

日本の大名を真っ二つに分けた関が原。
ともすれば、実際に「関ヶ原で起きた大戦」だけを連想しがちだが、各地で刀槍の火花は散っていた。
真田昌幸・幸村親子の第2次上田城の戦いを思い返していただければピンと来るだろう。
他にも、伊勢では安濃津城の戦いがあり、岐阜城の戦いでは織田信長の孫・三法師が福島正則・池田恒興相手に刃をかわし、北陸では前田利家の息子・利長と、丹羽長秀の息子・長重も激戦を繰り広げている(浅井畷の戦い)。
あまり語られることはないが、八幡城の戦いもその一つ。関が原に関わる合戦としては最もグダグダな展開だった、この戦いとは?

 

美濃の知られざる勇将・遠藤慶隆さん、初見参!

◆派手に語られることはないけど、かといって戦歴がないワケじゃなく無視もできない――。それが美濃の武将・遠藤慶隆(よしたか)さんでしょう。
もともとは斎藤家に属し、織田信長さんの同国攻略後は織田家の傘下になり、その直後の姉川の戦いでは大いに活躍し、感状を貰ったほど。
しかーし。本能寺の変のドタバタ以降は秀吉さんのもとで頑張りながら、結局、領地を取られることになり、その居城・八幡城は稲葉貞通さん(父は美濃三人衆の一人・あの稲葉一鉄)のものとなっておりました。
それを奪い返そうとしたんすね。鼻息、めっちゃ荒いです。しかし……。

 


犬山城の寝返り組の中にいたのは……

◆あちゃちゃちゃちゃー><;
とはいえ悪いのは井伊直政さんではなく、単にタイミングの問題だったのでしょう。
西軍に属していた犬山城の中に、八幡城・城主の稲葉貞通さんはいたワケで。タイムラグってなワケで。
稲葉さんとしても、まさか自分の城を攻められて黙っていられるワケもありませんが、果たしてどうなるのやら。

 

聞こえんぞー! ワシには何も聞こえんぞー!

◆戦場って、やっぱり異常な空気なんですよね。
いったん攻撃モード、しかも、かつての居城を取り戻そうと鼻息荒くなっている人がバリバリの戦闘態勢になっていて、そう簡単に止まるハズもありません。
八幡城を守るのは、稲葉貞通の息子・通孝。しかし寡兵であり、その防御のため緊急措置として農民や町人なども兵として徴用したと言います。

 

激戦、岐阜城の攻防! されどむなしく陥落するなり

◆いくら行き違いがあったとはいえ、石田三成との決戦を控えた家康にとっては、どうにも、もどかしい状況だったんでしょうね。
徳川秀忠は戦場へ現れず、一人でも多くの兵が欲しい状況で味方同士で城の奪い合い。
しかし、双方に落ち度はなく、遠藤さんと稲葉さんの間で和議が結ばれると、家康さんのもとへ向かい、東軍に合流しました。
いやぁ、戦国武将ってほんっとうに良いもんですね(水野晴郎で脳内変換)。

漫画・アニィたかはし
【毎週・月曜日連載】

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アニィたかはし

漫画家。現在は武将ジャパンにて、まんが『大河ブギウギ べらぼう編』シリーズを連載中。 2014年より歴史漫画家として活動を開始し、2015年には連載作品をまとめた商業コミック『織田信長の戦国ブギウギ』(鉄人社)を全国発売。 以降、独自のポップ表現と歴史知識を融合させた「ブギウギシリーズ」を継続し、戦国・江戸・幕末など幅広い時代を題材とした作品を制作している。 2024年からは大河ドラマの各回を題材にした“ドラマ考証型マンガ”へと表現領域を拡大し、作品の幅をさらに広げている。 ◆主な著書 『織田信長の戦国ブギウギ』(鉄人社、2015年、ISBN:978-4865370324) ◆国立国会図書館データ https://id.ndl.go.jp/auth/ndlna/001200494

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