小中学校で習う歴史の授業と、高校で大学受験向けに教えられる日本史。
その最初の違いは「藤原氏の権力争い」……だったと記憶しております。
大化の改新で中臣鎌足が藤原鎌足となり、そして次に藤原氏が時代の最前面へ出てくるのは平安時代の藤原道長・藤原頼通になってから――。
小中学校では、そんな風に大雑把に把握していただけに、実は鎌足の後にも不比等がいて、それから四兄弟が生まれて、奈良時代から平安にかけての変遷でも藤原氏は、常に他の皇族や有力貴族と権力争いを繰り広げていた……。
高校の日本史では、そんな風に教えられて『マジかよ!』と驚きつつ、面白がっている自分がおりました。
今回はその端緒となるあのお方が登場。長屋王さんです、第13話、スタート!!!
長屋王は、高市皇子の息子です。
高市皇子は、あの天武天皇の子ですから、長屋王は孫というワケですね。
大学受験の日本史では、この情報はあまり必要とされてないんですけど、そう教えてくれていたらはるかに覚えやすかったかもしれません。
天皇の親政を推し進めた天武天皇の孫なら、そりゃ活躍するっしょ!みたいな。
一方で、キッチリと存在感を示し続けている藤原不比等。さすがであります。
後に大きく発展していく藤原氏。その分岐点は不比等から生まれた四兄弟にあったと言えるでしょう。
・藤原武智麻呂(藤原南家開祖)
・藤原房前(藤原北家開祖)
・藤原宇合(藤原式家開祖)
・藤原麻呂(藤原京家開祖)
上記のように、彼らの子孫がそれぞれに分かれていって、そして家内でも権力争いを繰り広げていくことになります。すでにこの頃から月が欠けるコトはなかったのかもしれません……と言ったら言い過ぎでしょうか。
長屋王と共に皇親政治を請け負ったのが舎人親王でした。
彼もまた天武天皇の息子。
されど母は異なり、真意は不明ながら長屋王からは距離を取り始め、そして藤原四兄弟へと近づいていくのです。
実は、この舎人親王こそが最大のキーパーソンだったりしまして……次号へ続く
著者:アニィたかはし
武将ジャパンで新感覚の戦国武将を描いた『戦国ブギウギ』を連載。
従来の歴史マンガでは見られない角度やキャラ設定で、日本史の中に斬新すぎる空気を送り続けている。間もなく爆発予感の描き手である(編集部評)