ゴールデンカムイ

『ゴールデンカムイ』主要キャラ9名の出自やルーツがわかる!史実マトメ一覧

北海道を舞台に金塊争奪戦を繰り広げ、ギャグあり、変顔あり、アクションあり――。

和風闇鍋ウェスタンと評されているのが『ゴールデンカムイ』です。

 

そしてその和風闇鍋テイストの決め手となっている出汁が「幕末維新の歴史」であることは明白でしょう。

土方歳三永倉新八などの剣士が登場し、数十年ぶりに刀を振り回して熱闘を繰り広げる――そんな新選組だけでなく、彼ら生き残りの隊士から見れば孫世代のような登場人物にも、幕末の歴史と明治時代の闇が背負わされます。

いったいゴールデンカムイキャラたちの業や出自とは?

本稿では、主要メンバー9名の

・出身地
・幕末期の運命
・その影響

などを史実から考察してみたいと思います。

尾形百之助は別記事でちょっとディープにマトメています

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土方歳三:関東地方近郊・多摩地方

幕末の関東地方に生まれた天然理心流は、比較的歴史が浅く、実践的な剣術でした。

歴史が浅くとも実践的となった理由、それは江戸時代後期から劇的に悪化した関東地方の治安です。

自分の身は、なんとしても自分で守る――。

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単行本14巻収録の135話における犬童との戦いで、土方は掌に貯めた血を目潰しにして、敵を倒しました。

これぞまさに天然理心流。

暴漢鎮圧を目的としたこの流派は、蹴りや集団戦法も取り入れておりました。

史実でも土方は、目潰しを使用したとされます。

このような実践的な剣術は、武士階級では好まれなかったものです。

『ゴールデンカムイ』においても、農民出身の土方は、武士とは異なる剣術で戦っています。

土方の場合、生育環境が町人である点も注目したいところです。下級武士階級である永倉新八や斎藤一。豪農でありながら漢籍教育を受けていた層とは異なります。

俳句が好き。物腰はとても柔らかく、鋏やものさしを用いることが得意。そんなオシャレなセンスも漂う人でした。実写版の舘ひろしさんの青年時代はオシャレでやんちゃ、土方のイメージにぴったりです。改めて素晴らしいキャスティングです。

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杉元佐一:神奈川県

杉元の出身地は神奈川県、つまり相模国となります。

江戸時代の相模国は江戸に近いため、大藩が置かれず、旗本御家人の領地とされてきました。

そのため町人文化が栄え、浮世絵のイメージそのものの比較的安定した土地。

そんな相模国が歴史の焦点となったのが幕末という時代です。

ペリーの黒船に沿岸の民はびっくり仰天。寒村に過ぎなかった横浜が瞬く間に栄えてゆき、外国人が住むように。このころからこの土地は、モダンでオシャレな場所へと変わってゆきます。

杉元はモダン趣味があり、少年少女向け雑誌由来の知識がある。

その一方で、他の人物のような藩への認識があまりない。神奈川出身の青年らしさがあるといえます。なかなか垢抜けているんですね。

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永倉新八:松前藩江戸屋敷

永倉は江戸藩邸生まれで江戸っ子。作中では触れられておりませんが、永倉家はなんでもご先祖に美人の江戸娘がおり、殿様の寵愛を受けたという伝説があるそうです。

江戸っ子である池波正太郎は、永倉のそんな江戸っ子らしさが好きだったようです。

しかし、所属は蝦夷地を治めていた松前藩です。

幕末の動乱ののち、同じ藩出身の女性と結婚し、明治以降も、剣客として鍛錬を欠かしませんでした。

晩年の永倉は、北海道で暮らしております。

そうした背景ゆえに、本作では土方と再会することになります。

土方は松前藩の生み出したよいものは松前漬けと永倉だけだと、なかなか手厳しいことをいう場面があります。

松前藩はアイヌへの搾取により悪名高く、かつ【箱館戦争】では土方たち幕府軍と戦っています。

新政府軍についたにも関わらず大打撃を受けた、秋田藩と並ぶ不運な藩と言えるでしょう。

永倉は武士でありながら、剣術にかまけていて教養はおざなりです。

幕末には松前崇広が幕閣にいたこともあってか、近藤勇は永倉を伴って江戸へ向かったこともあります。

ただ、彼はどうにも、政治力を発揮するタイプではなかったと思えます。

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