1868年(明治元年)の11月1日、日本で初めて西洋式の灯台が着工したことからきているとか。
場所は神奈川県横須賀市・三浦半島の先っちょです。
海上保安庁・海上自衛隊や在日米軍の方々にとってはお馴染みの存在ですかね。
明治時代の建物ということもあり、外見は非常にモダンといいますか、「ああ、明治っぽいな」というデザインです。ボキャ貧サーセン。
現在も同じところに建っていますが、実は三代目にあたります。
初代・二代目ともに地震で壊れてしまったので、そのたびに建て直されました。
かつては「灯明台」とか「常夜灯」と呼ばれていた
「なぜ二回も同じ理由で壊れてんのにまた建ててんの?」
なんて言っちゃいけません。
当時諸外国との条約で「ここと、ここと、ここに、灯台を建てなサーイ!」という約束をされてしまっていたので、一応ゆかりある場所なのです。
現在は遠隔監視システムのおかげで無人化していますが、現役の灯台として活躍。
資料室もあり、かつて使われていた道具を見ることができるそうです。
参観料は大人200円、子供無料なので、お近くへお出かけの際には気軽に立ち寄れていいのではないでしょうか。
ちなみに「灯台」という建物ができたのも観音崎灯台が最初です。
それまでは「灯明台」とか「常夜灯」というものを使っていました。
灯明台のほうはほぼ灯台と同じものですが、海沿いに限らずもう少し内陸のほうに建てられていることもあります。
常夜灯は灯篭を大きくしたようなもので、こちらは海沿いや河口で船乗り達の水先案内として使われていました。
どちらも全国に残っていたり再建されたりしていて、割と気軽に見ることができます。
江戸時代までの庶民にとっても馴染み深い存在だったようで、絵画に登場することもありますね。
もしかすると今で言う待ち合わせスポットみたいになってたのかもしれません。
その場合、イチャコラしてるところを通りがかりの船頭さんに目撃される可能性も高そうですが、まあ当時はカメラとかありませんから無問題無問題、多分。
高さ134メートル ピラミッドに次ぐ歴史の長さだった
さて、灯台は航海に欠かせないものですから、当然、日本だけでなく世界中に存在します。
面白いのをいくつかご紹介しましょう。
最も有名なのが”アレクサンドリアの大灯台”でしょう。
現在のエジプト・アレクサンドリアにあったとされる約134メートルの巨大な灯台で、エジプト・ギザの三大ピラミッドの次に長く存在していた建物だったといわれています。
アレクサンドロス大王の大帝国のうち、エジプト方面を分捕ったプトレマイオス1世が建設。
つまり建造は紀元前ですから、相当な技術ですよね。
ただし、この辺は現在まで続く地震の頻発地帯だったため、完全な状態で残っていたのは8世紀ぐらいまでで、14世紀には完全に崩壊してしまっていたようです。
近年、海中から遺構が発見されたとのことですので、これから面白いことがわかるかもしれませんね。ロマンロマン。
東西文明を結ぶ双子の塔
「RPGのダンジョンかよ!」
そうツッコミたくなってしまうのが、トルコ・イスタンブールの”アナドル灯台”と”ルメリ灯台”です。
イスタンブールは黒海の出入り口・ボスポラス海峡を挟んでいる都市ですが、その両岸に一つずつ灯台が建てられているのです。ヨーロッパ側にルメリ灯台、アジア側にアナドル灯台が建っています。
”双子の塔”とかそれだけで厨二心をくすぐられます。
パーティーを分散して同時にクリアしないと両方爆発する塔とかありましたよねえ。
見所の多いイスタンブールでも穴場?だそうで、行くとじっくり見られるかもしれません。
アメリカのサンディフック灯台
観光地付近で穴場といえば、アメリカのサンディフック灯台なんてのもあります。
アメリカで使われている灯台の中では最も古いもので、もう少し南にあるニューヨーク港への船舶を案内するために建てられました。八角錐の頂点を切り落としたところに光源を置く台が作られているような感じで、カントリーというかレトロというか、そんなつくりをしています。
残念ながらニューヨークとは海を挟んで対岸にあたるため、観光しやすいとはいえなさそうですが、遠出をする余裕があるならいいかも?
何だか観光ガイドみたいになってきましたね。
寺社や教会など宗教関連施設やショッピング・グルメだけでなく、灯台のようなちょっとマイナーな建物に着目してみるのも面白いものです。
最近戦艦やら城やらいろいろ擬人化されてますけども、誰か灯台でやってくれませんかね。
古いのも新しいのもあるし、結構個性があって面白いんじゃないかと思うんですが。
その場合、おそらく全員が超高身長になるんだろうなぁw
長月 七紀・記
【参考】
灯台記念日/wikipedia
観音崎灯台/wikipedia