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【日本海海戦】
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日英同盟はうまく働き 露仏同盟は機能せず
本来であればロシアの同盟国・フランスの植民地で補給をするはずでした。
しかし、そうすると日英同盟の「第三国が戦争に関与した場合は、日英両国で共闘する」という項目がひっかかるので、それもできません。
フランス植民地に立ち寄る=フランスが参戦するのとほぼ同義だからです。
結果、バルチック艦隊は石炭・食料・水などの補給がまともにできなくなった他、船の整備もロクにできないまま、地球半周の大航海をすることになってしまいました。
船の整備ができないとなると、実は見た目より大きな悪影響が出ます。
長く航海をしていると、船底にはどうしても貝がついて速度が落ちてしまいます。
これはどんな船でも避けられず、何ヶ月かに一度は停泊して貝を落とさなくてはなりません。
上記の理由で大きな港に入れなくなったバルチック艦隊は、ロクにこれを行うことができませんので、日本に近付くにつれ最高速度が落ちる――そんな戦艦にあるまじき状況に陥るのです。
こうして両者とも違った意味で戦々恐々とした状態の中、日本海海戦は始まりました。そこで繰り出されたのが……。
東郷ターン(T字戦法)、発動!
日本海海戦といえばアレ、アレといえば日本海海戦。
世界史上でも稀有の大成功を収めた「東郷ターン」ですね。丁字またはT字戦法とも呼ばれます。
実はこれ、東郷こと東郷平八郎のオリジナルではありません。
平たく言えば「敵艦の進行方向を遮るように進み、一斉砲撃する」というもので、古代から「コレが一番強いっしょ」と言われていたのですが、海戦の性質を考えるととんでもなく難度の高い戦法なのです。
バルチック艦隊に勝利した秋山真之の策「本日晴朗ナレドモ波高シ」
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主な理由は二つあります。
一つは、船が攻撃できる方向について。
歩兵や騎馬、戦車であれば基本的に正面(進行)方向へ攻撃するのが一番ですが、船の場合は真逆。
進行方向に対して左右が一番攻撃力が高まります。
弓を構えるにしても銃や大砲で撃つにしても、細かい動きのできない船で進行方向に向けてしまうと、船の後ろの人が目の前の人を攻撃してしまうからです。
あるいは、こんなイメージがいいかもしれません。
複数人で漕ぐボート。一人一本ずつオールを持って、息を合わせて漕がないとぶつかっちゃいますよね。
そのオールがもし弓や銃だったらどうなるか……?というわけです。
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