下鴨神社に復元された「方丈」

鎌倉・室町

『方丈記』って災害ノンフィクションだったの?日本三大随筆を比較してみた

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いわずもがな、平安の才媛・清少納言が宮中の出来事+彼女の物の好みを書いたものです。

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やや偏見に近い部分もありますが、これは当時高貴な女性の活動範囲がかなり限られており、伝聞とイメージで書いたためでしょう。

清少納言/Wikipediaより引用

彼女は勝気な性格と漢学に通じていたことから、藤原行成(”三蹟”の一人としても有名な人)など男性との恋愛抜きでの親交もあり、そうした交友関係についても書かれています。

教科書にはあまり出てきませんが、これも密かな見所ではないでしょうか。

原文を見るとやたら「をかし」を連発しているところがあって、現代で言うと「かわいい~☆」を連発するギャルみたいな?ところも。

言語的に今より単語数が少なかったからというのもありそうですし、清少納言自身は末尾で「この文章は人に見せるつもりはなかったんだけど、いつの間にか知られてしまったので、言い過ぎたところもある」と書いているので、うっかりテヘペロ☆な部分もあるんでしょうね。

 

男女の関係に興味津々やないか「徒然草」

もう一つは『徒然草』ですね。

三代随筆の中では一番後にできたもので、作者は兼好法師(卜部兼好吉田兼好)とされています。

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成立後かなり長い間忘れ去られていたため、本当に作者が彼なのかどうかは疑わしいそうです。

内容としては、一段(章)ずつテーマを決めて書いているところは枕草子に似ており、出家した人が書いた&同時代の出来事についての話題が多い点は方丈記に似ているともいえそうです。

といっても堅苦しさはあまりなく、

「こんな人はみっともない」
「こういうことはどんどんやったほうがいい」
「昔こんなことを言っていた人がいたが、私はこう思う」

など、割ととっつきやすい内容になっています。

「つれづれなるままに~」の出だしの他には、「家は夏のことを考えて建てるべきだ」というくだりが有名でしょうかね。

興味深いことに、出家した人が書いた(二回目)作品の割に、男性論・女性論が何度も出てきます。ここだけ抜き出してまとめても一冊の本ができそうです。

和歌でお坊さんが女性の気持ちを詠んだものは多いですけれど、他の文学でこういうテーマを選ぶことはあまりないような気がしますので、徒然草の特徴といってもいいのではないでしょうか。

他の二つが「これこれこういう経緯で書いた」といういかにもまとめっぽい文章で終わっているのに対し、徒然草はちょっと違います。

「小さいときこうやって父親を言い負かしたことがあるんだけど、このネタはいろんな人に話して楽しんでもらったよ」(意訳)

という一風変わった終わり方をしているのも特徴です。もしかしたらこの後にも続いていたのかもしれませんが、兼好の茶目っ気というか明るい性格が窺えますね。

私見で恐縮ですが、三大随筆の中では一番現代人が共感できる部分が多い作品じゃないかなと思いますので、未読の方はぜひ。

ちょっと長いですけど文庫版もいろいろ出てますしね。

ビジネス書や参考書に飽きたらこういう文章に触れてみるのも良いのではないでしょうか。

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長月七紀・記

【参考】

『すらすら読める方丈記 (講談社文庫) Kindle版」』(→amazon link

国史大辞典
方丈記/青空文庫
方丈記/wikipedia

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