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在原業平/Wikipediaより引用

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飛鳥・奈良・平安時代 その日、歴史が動いた

平安時代の伝説的イケメン・在原業平 どれだけ伊勢物語に影響を与えた?

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解き明かすのも楽しいですが、謎はナゾのままというのも歴史のロマン。
想像の余地がありますし、同好の士で語らうのもまた楽しいもので、本能寺の変や、南光坊天海の正体などはその一例でしょう。
その辺のミステリーとはベクトルが違いますが、今回はロマンに溢れたとある平安貴族にご注目。

元慶四年(880年)5月28日は、在原業平が亡くなった日です。

伝説的なイケメンかつ歌人という、当時のモテ男に欠かせない二大要素を持っていた人であり、また「伊勢物語」のモデルとも称される御仁ですね。
同物語は、あの「源氏物語」にも強く影響を与えた最古の歌物語なわけですが、今回は業平の人生を振り返りながら、物語の成立にも思いを馳せてみましょう。

国立国会図書館蔵

 

薬子の変で変わった天皇の系統 業平の人生も左右した

825年に生まれた業平の前半生は、苦労の連続でした。

彼の父は平城天皇の第一皇子・阿保親王(あぼしんのう)で、母は桓武天皇の皇女・伊都内親王。
つまり業平は、父方は平城天皇の孫かつ桓武天皇の曾孫という血筋であり、母では桓武天皇の孫という、この時代ならではのサラブレッドながら、我々現代人にあまりそのイメージはないかもしれませんね。

実は彼の運命は、彼の生誕前に起きた「薬子の変(810年)」で大きく変わっておりました。この変は、一言で言えば平城天皇vs嵯峨天皇の内乱未遂事件です。平城天皇の愛妾である藤原薬子が原因となって争いが起き、その結果、天皇の系譜が嵯峨天皇系に移っていたため、業平の父である阿保親王の意向で、在原姓を名乗るようになったのです。

血筋を理由に権力争いに担ぎ上げられたり、逆にお咎めを被ることがないように……という思いやりだったのでしょうね。いかにこの時代の皇族なれど、有力な後ろ盾がなければ生活が厳しくなることは珍しくありませんでしたし、それならば臣下に降って自ら権力や名分を放棄したほうがいい、という判断というのもありえます。

また、阿保親王は謙虚で控えめ、文武と弾き語りの才があり、腕っ節も強いというかなりチートな人でした。
業平も当時から和歌の才や鷹狩の名手として知られていたので、父親に似たのでしょうね。業平の息子や孫も歌才に恵まれていたとされますし、やはり才能は血筋によって伝わるもののようです。

ただし、阿保親王も伊都内親王も「美貌」だったという記録は特にないようなので、なぜ業平が伝説的なイケメンといわれるようになったのかは謎ですが……まあ、いい感じに遺伝子が噛み合ったんでしょうね。

 

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妻は紀氏一族 後世の紀貫之や友則に影響を与えた!?

そんなこんなで皇室の血を引いてはいたものの、又従兄弟にあたる文徳天皇の時代まで、業平は官位がほとんど上がらず、苦労していました。

「学はないが歌は素晴らしい」という評価や、「伊勢物語」の主人公がちょっとひねくれたような感じになっているのは、うだつが上がらなかった時代に、外から見られた印象が含まれているのかもしれません。
あるいは彼の歌が、技巧的というより素朴でわかりやすいというのも理由のひとつでしょうか。

業平が本格的に昇進するのは清和天皇の代になってからで、ほぼ3~4年に一度、官位が上がっています。

プライベートでは、妻が紀氏出身のため、紀氏とも交流があったとされます。舅の紀有常(きの ありつね)もまた温厚な人柄で、伊勢物語でもべた褒めされているので、不遇だった間も親しくしていたのでしょうね。

紀氏といえば有名なのは紀貫之や友則ですが、業平は彼らより上の世代なので、彼らの子供時代を見たこともあったかもしれません。業平からすると「妻の実家の遠いような近いような親戚」くらいの関係ですから、全く会わなかった可能性もありますが、まあそれこそロマンということで。

月岡芳年の「在原業平と二条后」/Wikipediaより引用

 

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群像劇の中に業平の歌を盛り込んだストーリー

さて、業平といえばやはり伊勢物語の印象が強いですけれども、主人公の「昔男」は業平そのままではありません。

「筒井筒(つついつ)の恋」(井戸の縁の木材で背比べをした幼馴染同士の恋)など、業平の身分ではあり得なさそうな話が混じっているからです。
実話と、イメージからきた創作を半分くらいずつ織り交ぜているのでしょうね。現代でよくある「実話を元にしたフィクション」というやつです。

個人的には、伊勢物語は一人の主人公がいるというよりは、群像劇に業平作と思しき歌の中からストーリーに合いそうなものをつけたという感じがします。

いずれにせよ、伊勢物語が最古の歌物語であることや、後世の文学に大きな影響を与えたことは間違いありません。
例を挙げれば、源氏物語の「夕顔」は伊勢物語の「芥川」にそっくりです。紫式部が伊勢物語の作者に訴えられたら勝てないレベルで。

「小野小町は本当に絶世の美女だったのか」と同様、「伊勢物語はどこまで真実か」というのも、謎のままであるほうがロマンがあっていいのかもしれませんね。
伊勢物語の本文はかなり簡潔というか、和歌の詞書くらいの文量しかないので、マンガ化や映像化にも向いていそうな気がします。そのうち名作が出てくる……かも?

長月 七紀・記

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参考:在原業平/Wikipedia

 





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