江戸時代 その日、歴史が動いた

「からくり伊賀七」こと飯塚伊賀七 江戸時代にアンドロイドの原型を発明する?

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宝暦十二年(1762年)3月29日は、発明家の飯塚伊賀七(いがしち)が誕生した日です。

当人の歴史よりも、「からくり人形」や「和時計」など、彼が携わった作品の数々のほうが有名ですかね。

生涯を追いかけながらその辺にも触れていきましょう。

復元された伊賀七の和時計/photo by Miyuki Meinaka Wikipediaより引用

 

谷田部藩(茨城県)名主の家に生まれ

伊賀七は、谷田部藩(やたべはん/現・茨城県つくば市)の名主の家に生まれました。

家に経済的な余裕があったため、工夫することや発明すること、そして勉学をするゆとりがあったのでしょう。
師匠が誰か、ということはわからないのですが、谷田部藩には江戸から数学者や蘭学者が度々来ており、伊賀七もそういった人たちから学問を教わったと考えられています。

両親の他に姉と妹が一人ずついたとされ、その中で二人とも亡くなりました。

もともと江戸時代の子供は成人に達する前に死ぬ確率は高く、さらに伊賀七の青年期辺りまでは干ばつ・飢饉・洪水・流行病といった災害も多発しておりました。
自らの子供も4人に恵まれながら3人を亡くしています。

発明への関心も、幼くして姉妹や子供を失い、「災害に立ち向かう術があれば」と思ったことから生まれたのかもしれません。
あるいは「こんなに辛いことが多い世の中だから、一時でも楽しめるものを」とか。

家督を継いだ後も災害の記録を多々残しており、娯楽だけでなく名主としての責任感も強かったことがうかがえます。
むしろ真面目過ぎたのか、当主をやっていた頃の記録はあまりありません。

 

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伊賀七の代表的発明品とは

発明家として名を挙げていくのは、40代後半のことです。
年齢的にも、家督を譲ってからでしょうか。

発明品はデカイ算盤から建築物まで多岐にわたりますが、特に有名なのはこの辺です。

・酒買い人形

伊賀七の家の斜め向かいにあった酒屋まで、お使いをしに行けたという人形です。
人形の手に持った酒瓶に酒を一定以上注いで向きを変えると、また家まで歩いていったといいます。
距離は2.8mほどだったそうですが、当時この発想が出てきたことがスゴイですよね、元祖アンドロイドといえるかもしれません。
同様の「豆腐買い人形」もあったとか。

・茶くみ女(人形)

こちらも文字通り、客人のところまで茶碗を運べたという人形です。
茶碗を取ると止まり、茶碗を載せるとまた歩くようにできていたとか。
「伊賀七の家を訪れたらとからくり人形に出迎えられた」という話もあるので、酒買い人形や茶くみ人形の他にも、違うタイプの人形がいくつかあったんでしょうね。
人形だらけって――RPGに出てくるマッドサイエンティストの家のようです。

国立科学博物館に所蔵されている茶運び人形とその内部構造(復元品)※伊賀七の人形ではありませんが

・五角堂+α

五角堂はその名の通り、床が五角形になっている建物です。伊賀七の作ったもののうち、唯一飯塚家に残っているものでもあります。
中には米つき機などの農業機械や、2mもある大型和時計などが置いてあったとか。
機械そのものは分解されてしまいましたが、つくば市谷田部郷土資料館などで復元されています。

茨城県指定史跡「五角堂」/photo by On-chan wikipediaより引用

 

エレキテルの発明者という説もあるぐらい

他に、伊賀七は人力飛行機や木製自転車なども作ったそうです。
エレキテルの発明者という説もあるくらいですから、当時は「あの人ならなんでも作れるに違いない」とか思われてたんでしょうね。

発明品があまりにも多彩すぎて掴みきれない感じもしますが、名主としての責任感の他に、とても優しい人だったのではないか……という気がします。

農業機械があれば作業効率が良くなりますし、からくり人形が普及すれば、身寄りのない人や病人・けが人・老人なども生活が楽になると考えていたのではないでしょうか。
発明品に、製造年月日や取扱説明書のようなものを書き添えることもあったそうですし、自分だけのためではなく、人のためにいろいろなものを作ったとしたら、しっくりきますよね。

だいぶ美化した予想かもしれませんが、ただの趣味でやるにしては大掛かりなものが多いので、あながち間違いでもないんじゃないかと。
技術は自己のためだけでなく、他者のためにこそ研究・実験・発展のしがいがあるでしょうし。

長月 七紀・記

更新2019年3月29日
初出2017年3月29日




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【参考】
飯塚伊賀七/Wikipedia
五角堂/Wikipedia

 



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