スケートの歴史

スコットランドを代表する絵画『スケートをする牧師』は18世紀の作品です/wikipediaより引用

世界史

最初は動物の骨で滑っていたスケート 実は3000年もの歴史あり

冬季のスポーツ――特にオリンピックのとき日本で最も注目度の高い競技は、何といってもスケートでしょう。

スピード、フィギュア共に、男子も女子も有力選手が多く、様々な大会でメダルを期待。

でも、ちょっと気になりません?

そもそもスケートって誰が何の目的で履き始めたのか。

特にフィギュアなんか意味がわからない。

なぜ氷上をくるくる回り始めたの?

実は3000年もの伝統があるスケートの歴史に迫ってみましょう。

 

スケートの歴史は3千年前から

歩くより、滑った方が断然速い!

そんな実用性から生まれたものが多いウインタースポーツ。

スキーの歴史は紀元前2500年前からでなので、なんと4500年!

とは以下の記事で触れさせていただきました。

スキーの歴史
スキーの歴史は4500年!紀元前からの狩猟具が武具となりスポーツへ

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スケートはそれと比較するとさすがに短いのですが、それでも3千年前のフィンランドにはその痕跡がうかがえるそうで。

原始的な“かんじき”や“スノーシュー”は、人類が道具を作り始めた時からあるものです。

こうした氷雪上の履物を、板状に伸ばすか、ブレード状にするか。ここが分かれ目でした。

板状に伸ばしたものがスキーとなり、ブレード状にしたものがスケートになったのですね。

ブレード状にするとは、むろんスケートの刃に相当するものを靴底に付けるワケですが……当初は、とうぜん金属製ではなく、馬の骨などが用いられておりました。

北欧神話の中には、スキーを履いた神様がおられますが、スケートをしているときもあります。

神様って、結局は、お国柄を表すものなんですね。

ウルが動物の骨に乗り、海を渡って旅する様子/wikipediaより引用

 

冷えこむヨーロッパ、凍り付く河川

前述の通り、スケートのブレード(刃)には、動物の骨が用いられておりました。

豚や馬の臑(スネ)部分が主原料で、それを紐で靴に縛り付けたのですね。

動物の骨で作られたスケートの刃/photo by Steven G. Johnson wikipediaより引用

鉄製が作られ始めたのは13世紀。

14世紀頃からは、木製のスケート靴が用いられるようになりました。

ただし、鉄製は実用化まで時間がかかり、長いこと主流は木と骨を組み合わせたブレードでした。

地域的に、ヨーロッパではオランダやイングランドが発展。

ノルウェーを中心とした北欧ではスキーが発展しておりますが、これは主に気象条件による影響でして。

・河川や沼沢に分厚い氷が張る

・積雪量が少ない

この二つの条件を満たした場所で、スケートは発展するのであります。

例えば北海道でも、帯広などの平野部ではスケートは盛んながら、スキーをほとんどやったことがない――そんな人も多々おります。

まぁ、スキーは山がなければどうしようもないので当たり前なんですけどね。

ブリューゲル『ベツレヘムの人口調査』/wikipediaより引用

スケートは、とにかく地域の気温に左右されます。

地球自体が小氷河期だったとされる16世紀から18世紀では、ただでさえ寒いヨーロッパが現在よりも遙かに気温が低く、ロンドンではテムズ川が凍結し、船が閉じ込められてしまうことすらありました。

こうした冷え込むヨーロッパにおいて、スケートは人々にとって身近なものになりました。

ちなみに中国・宋代においても、スケートが行われていた記録があります。

 

宮廷では紳士淑女もスケートに夢中なの

スキーは、実用的な移動手段であり、ヴァイキング戦士の間で勇者の証としてたしなまれました。

一方でスケートは、実用性よりも娯楽として好まれ、発展した側面があります。

例えば世界最古の「スケートクラブ」である「エディンバラスケートクラブ」は18世紀に誕生。

紳士も、淑女も、スケートに夢中になりました。

スケートを楽しむ人々/wikipediaより引用

ちょっと錚々たる面々なので、スケートをたしなんだ有名人を書き出してみましょう。

フランス宮廷では、特に盛んであったようです。

イギリスの場合ですと、フランスに亡命し、王政復古で帰国したスチュアート王朝の君主が宮廷式スケートを伝えたとされています。

ヴィクトリア女王とその王配アルバートも、スケート旅行を楽しみました。

ヴィクトリア女王
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英国王室200年前の私生活 アルバートとヴィクトリア女王は仲睦まじきかな

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もちろん王侯貴族だけでなく、庶民の間でも、スケートは冬場の娯楽として楽しまれていました。

 

「屋内アイスリンク」「スケート靴」が誕生

産業革命あとの19世紀は、スポーツにとっても大きな変革の時代でした。

それまで娯楽であった運動が、競技として洗練されていったのです。

スケートの場合は、技術革新も起こりました。

1844年には、イギリス・ロンドンにおいて世界最初の屋内アイスリンク「グラシアリウム」が登場。

コンクリートの上に、化学薬品を流したパイプをはりめぐらせたもので、クラブメンバーのみが利用可能でした。

当時最高級の、社交界のたまり場です。

屋内スケートリンクの登場/wikipediaより引用

13世紀には登場していていながら実用化が出来ていなかった金属製ブレード。

19世紀になって、ようやく高品質のものが生産できるようになります。

鉄製のブレード/photo by Ellywa wikipediaより引用

早い説では1850年、遅くとも1890年には、靴とブレードが一体化したスケート靴が誕生しました。

それまでは靴にくくりつけるもので、滑りやすさが格段に向上したのです。

まさに技術革新。

そして日本にスケートが入ってきたのは明治維新後のことでした。

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