スケートの歴史

1862年に版画で描かれたスケートの様子/wikipediaより引用

世界史

実は3000年も人類に愛されてきたスケートの歴史~最初は動物の骨で滑っていた

冬季のスポーツ――特にオリンピックのとき日本で最も注目度の高い競技は、何といってもスケートでしょう。

スピード、フィギュア共に、男子も女子も有力選手が多く、様々な大会でメダルを期待。

でも、ちょっと気になりません?

そもそもスケートって誰が何の目的で履き始めたのか。

特にフィギュアなんか意味がわからない。

なぜ氷上をくるくる回り始めたの?

12月25日は「スケートの日」。

実は3000年もの伝統があるスケートの歴史に迫ってみましょう。

スコットランドを代表する絵画『スケートをする牧師』は18世紀の作品です/wikipediaより引用

 


スケートの歴史は3千年前から

歩くより、滑った方が断然速い!

そんな実用性から生まれたものが多いウインタースポーツ。

スキーの歴史は紀元前2500年前からでなので、なんと4500年!

とは以下の記事で触れさせていただきました。

スキーの歴史
スキーの歴史は4500年!紀元前からの狩猟具が武具となりスポーツへ

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スケートはそれと比較するとさすがに短いのですが、それでも3千年前のフィンランドにはその痕跡がうかがえるそうで。

原始的な“かんじき”や“スノーシュー”は、人類が道具を作り始めた時からあるものです。

こうした氷雪上の履物を、板状に伸ばすか、ブレード状にするか。ここが分かれ目でした。

板状に伸ばしたものがスキーとなり、ブレード状にしたものがスケートになったのですね。

ブレード状にするとは、むろんスケートの刃に相当するものを靴底に付けるワケですが……当初は、とうぜん金属製ではなく、馬の骨などが用いられておりました。

北欧神話の中には、スキーを履いた神様がおられますが、スケートをしているときもあります。

神様って、結局は、お国柄を表すものなんですね。

ウルが動物の骨に乗り、海を渡って旅する様子/wikipediaより引用

 


冷えこむヨーロッパ、凍り付く河川

前述の通り、スケートのブレード(刃)には、動物の骨が用いられておりました。

豚や馬の臑(スネ)部分が主原料で、それを紐で靴に縛り付けたのですね。

動物の骨で作られたスケートの刃/photo by Steven G. Johnson wikipediaより引用

鉄製が作られ始めたのは13世紀。

14世紀頃からは、木製のスケート靴が用いられるようになりました。

ただし、鉄製は実用化まで時間がかかり、長いこと主流は木と骨を組み合わせたブレードでした。

地域的に、ヨーロッパではオランダやイングランドが発展。

ノルウェーを中心とした北欧ではスキーが発展しておりますが、これは主に気象条件による影響でして。

・河川や沼沢に分厚い氷が張る

・積雪量が少ない

この二つの条件を満たした場所で、スケートは発展するのであります。

例えば北海道でも、帯広などの平野部ではスケートは盛んながら、スキーをほとんどやったことがない――そんな人も多々おります。

まぁ、スキーは山がなければどうしようもないので当たり前なんですけどね。

ブリューゲル『ベツレヘムの人口調査』/wikipediaより引用

スケートは、とにかく地域の気温に左右されます。

地球自体が小氷河期だったとされる16世紀から18世紀では、ただでさえ寒いヨーロッパが現在よりも遙かに気温が低く、ロンドンではテムズ川が凍結し、船が閉じ込められてしまうことすらありました。

こうした冷え込むヨーロッパにおいて、スケートは人々にとって身近なものになりました。

ちなみに中国・宋代においても、スケートが行われていた記録があります。

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