スケートの歴史

スコットランドを代表する絵画『スケートをする牧師』は18世紀の作品です/wikipediaより引用

世界史

最初は動物の骨で滑っていたスケート 実は3000年もの歴史あり

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日本は「下駄スケート」から

明治維新後に始まった日本のスケート。

新渡戸稲造は、留学先からわざわざスケート用具を持ち帰るほどお気に入りでした。

新渡戸稲造
実は国際結婚だった新渡戸稲造の生涯72年 著書の『武士道』とは?

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しかし、当時の革製スケート靴は高嶺の花です。

なんとかして気軽にスケートを楽しみたい――。

そんな思いから、1906年(明治39年)、長野県下諏訪町の職人・河西準乃助が、下駄に金属製ブレードを取り付けた下駄スケートを発明します。

下駄スケートは、気軽に楽しめる娯楽として、子供を中心にあっという間に広まります。

実に、昭和30年代まで用いられるほど広く普及したのです(下駄スケートの画像検索結果)。

 

スピードスケートはいつから?

スピードスケートの起源はいつなのか?

実際のところ求めるのが難しいです。

というのも、そもそもの性質上として「いかに素早く滑るか」という目的のためにスケートが開発されてきたわけで、当初から人々はなるべく速く滑ろうと競い合っておりました。

であれば、競技として認知されたのはいつ頃か?

1763年には、イギリスで24キロメートルを滑る競技会が開催。

やっぱりイギリスなんですね。例えばサッカーでも欧州各地で行われておりましたが、最初に協会を作り、大会を開いたのがイングランドだったので今なお母国と言われますよね。

オランダでも1805年、14才から50才までの女性130名を対象とした競技会がありました。

このころには、既に2名による滑走やセパレートコースも誕生しています。

初期のスピードスケート/wikipediaより引用

1880年頃には、スピードスケートは人気競技として定着し、観客動員数が10万人を超えることもありました。

そして世界スケート連盟(ISU)が1892年に成立。

翌年には世界選手権が開催されます。

オリンピックでは、1924年開催の冬季五輪第1回大会から、正式種目に認定されておりました。

人気のほどがわかりますね。

 

フィギュアスケートはいつから?

社交界においても人気のスポーツであったスケート。

庶民がスピードを競ったのに対して、紳士淑女はいかに優雅に美しく滑るかを、重点的に競い合いました。

世界最古の「スケートクラブ」である「エディンバラスケートクラブ」には、入会試験がありました。

この試験は身体能力を見るもので、氷上の帽子を飛び越したり、綺麗な円を描くもの。

フィギュアスケートの原型とは、このあたりに見いだすことができるでしょう。

1772年には、イギリスの砲兵大尉であるロバート・ジョーンズが、世界初のフィギュアスケート技術書を刊行します。

そこには現在のフィギュアスケート技術の原点や、優雅に滑るコツが解説されていました。

ヴィクトリア朝のイギリスでは、シルクハットの紳士たちが、いかに【正確に美しく図形を描くか】を競い合いました。

これはのちの「コンパルソリーフィギュア」の原型とされています。

19世紀後半、氷の質が安定した人造スケートリンクができると、フィギュアスケートは新たな展開を見せることになります。

アメリカでは、バレエ教師のジャクソン・ヘインズが、ステップやスピンを組みあわせ、音楽に合わせる滑り方を生み出しました。

このヘインズが生み出した独創的な「コンチネンタルスタイル」が、現在の「フリースケーティング」の原型とされています。

オリンピックでの競技化は、1908年開催の第4回夏季五輪から。

1924年の冬季五輪開催前以前に、既に競技化されていたのですから、その人気のほどが窺えましょう。

ヘルマ・サボー/第1回冬季五輪フィギュアスケート女子シングル金メダリスト/photo by Bundesarchiv, Bild 102-11014 wikipediaより引用

日本のフィギュアスケート発祥の地は、仙台市青葉城の堀である五色沼とされています。

1897年(明治30年)頃、米国人のデブィソンがスケートをここで始めた、と伝わっているのです。

五色沼のスケートリンク/photo by Kinori wikipediaより引用

仙台でスケートと言えば、五輪での男子フィギュアを連覇している羽生結弦選手が同地の出身でしたね。

伝統が脈々と受け継がれているとしたら、まさに歴史の繋がりを感じる場面であります。

彼はすでに「過去の自分」と対決するような孤高の天才という印象ですが、ぜひとも三連覇が叶ってほしいものです。

より速く、より優雅に――。

滑ることを追求したスケート競技の歴史は、おそらく多くの方の想像より古いものです。

今後も新たな歴史が銀盤に刻まれていくことでしょう。

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文:小檜山青(→link

【参考文献】
『雪と氷のスポーツ百科(大修館書店)』(→amazon

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