イギリス海軍の歴史

トラファルガーの海戦/wikipediaより引用

イギリス

海賊行為で世界を制覇~イギリス海軍の歴史が凄まじくてガクブルです

世界中のどんな国にも、

【コレこそが我が国なり!】

と誇りたくなる特徴や歴史があります。

イギリスの場合は何か?

そう尋ねればこんな答えが返って来ることでしょう。

「イギリスこそ、海洋国家である」

ナルホド。

島国で海を制覇したイギリスゆえの誇り――イギリス海軍の歴史をたどれば多くの方が賛同できるかもしれません。

現在もイギリスでよく歌われる『ルール・ブリタニア』の歌詞はこうです。

ブリタニアよ(イギリスの象徴である女神)、統治せよ!

ブリタニアよ、海を支配せよ!

ブリトン人は決して奴隷にはならぬ!

イギリス人は海を支配してこそだ。ハッハー!

そんな誇りを感じますよね。

といっても、これは狙ってそうなったものではなく、哀しいかな、当初は必要に迫られてのことでした。

 


海を支配せよ!さもなくば奴隷になる

イギリスは、四方を海に囲まれています。この点は、日本と同じです。

幕末になり、西洋列強の脅威を受けたとき、日本の人々はこう焦燥したものです。

「四方が海に囲まれているのだから、敵を防ぎようがない」

しかし、これはイギリスも同じこと。かつてのイギリスは、海からやって来た敵に踏みにじられる辺境の島国でした。

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元をたどれば、イングラント人の祖先であるアングロサクソン人も、海を越えてやって来ております。

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世界史を専攻されてない方は驚くとも多いのですが、現イギリス王室の祖先だってフランスからやって人たちです。

世界を制するようでいて、実は制された国・イギリス。

海を越えてやってくる相手には屈するしかないのか?

「NO!」

そんな風に答えを突きつけた人物がアルフレッド大王です。

先のYoutube動画『ルール・ブリタニア』も、アルフレッド大王を讃える劇中歌でした。

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強い海軍さえあれば、イギリスは支配されない!

我々は屈しない!

そのことを知らしめたアルフレッド大王が、愛国心の象徴となったのも無理のないところ。

イギリス史上に燦然と煌めく人物は、強い海軍力を伴っておりました。

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実は彼は、ロイヤルネイビー(英国海軍)創始者であります。

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『TUDORS』でもあの王様は酷いもんでした。

 

「アルマダの海戦」で、当時の大国スペインを打ち破ったエリザベス1世は、英国史でも最も人気の高い君主かもしれません。

※『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』ではマーゴット・ロビーがエリザベス女王に扮します!

そして、ナポレオンの艦隊を二度も完膚無きまでに打ち破った、ネルソン提督

何かと絵になる御方です。

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※ネルソン時代の英国海軍は、フィクションの世界でも大人気です。

このように

「うぇ~い、海洋国家バンザーイ!」

と言いたくなるのもイギリスであれば無理はなく、しかし他国からすれば、

「海軍使えるからってホイホイ侵略してくるんじゃねーよ! 大迷惑だわ、この海賊国家が!」

というツッコミが湧いてくるわけですね。

 


海賊行為でメイクマネー

海賊国家としてのイギリス。

当初、その矛先は隣国フランスに向かいました。

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「気軽に人の領土だの、王位だの、要求してんじゃねーよ! しかもシェイクスピア劇にまでしおって! 迷惑かつ厚かましいんだよ!!」

そう言いたくなってもよいところ。

百年戦争で敗北して以来、やっと、この迷惑行為もおさまります。

 

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しかし、海の上では別の話です。

フランスやスペインの船を襲い、荷物を掠奪することは、イギリス人にとっては気軽な経済行為でした。これはイギリスだけではなく、他国ですらそうです。

戦争状態になれば「報復行為だ!」という言い訳もできる。

これを当時の王が取り締まったかというと、むしろラッキーだとすら考えていたフシがあるのです。

国家予算とは別枠で、敵国にダメージを与えられる。

金は天下の回りもの。

海賊行為で経済が活性化するならそれはよいこと。

ヨーロッパの戦争において、君主が頭を悩ませたことはお金の問題なのです。

戦争のために集めた貴族は、所定期間が過ぎ去れば

「時間切れです。領地まで戻りますね。ホラ、治めないといけないでしょ?」

と勝手に戻ってしまう。そうなると、金を払って傭兵を雇う羽目になります。

チューダー朝は、こうした経済問題がネックでした。

名君とされるエリザベス1世は、宗教問題でも頭痛がしているのに、戦争まで金がかかるとなれば、もうパンクしそうなところです。

※海賊で一儲け、それはこの名君も考えたコトです

そこで思い出してみるのが海賊です。

ヘンリー7世の頃からこうした海賊に目を付け、国家のライセンスさえあれば見逃す、そのかわり見返りをよこしましょうね、と持ちかけていたわけです。

ジェームズ・ボンドでおなじみの「殺しのライセンス」ならぬ「海賊のライセンス」ですね。

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