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NY万博で埋められた5000年後にOPENのタイムカプセル!日本も負けずに大阪万博で

 

タイトルに反して、歴史が動いてない出来事も扱うことに定評がある当コーナーですが、本日は「これから歴史が動くかもしれない」あるいは「歴史が動いたことを伝えられるかもしれない」お話です。

1939年(昭和六年)9月23日、この年に開かれていたニューヨーク万博で、5000年後に向けたタイムカプセルを埋められました。

ちなみにこの万博は1939年4月30日に始まっていたのですが、途中で第二次世界大戦(のヨーロッパ戦線)が始まったため、10月31日に一時中断しています。それでも翌年の5月から10月までもう一回やってるんですから、スゴイというか何というか。

ついでにいうと、この万博には日本も参加してました。2年後には太平洋戦線も始まってしまうのですけどね……。

まあそれはともかく、本日の本題です。

ウェスティングハウスによるタイムカプセル/wikipediaより引用

 

日用品の他に2万3000ページ分の情報が入った極小フィルムが

タイムカプセルという言葉自体は皆さん聞き覚えがあると思います。この言葉が生まれたのが1939年ニューヨーク万博だといわれています。

学校で埋めるタイムカプセルだと、将来の自分への手紙やそのときの宝物など微笑ましいものになりますが、さすがに国家事業(?)だと、コトはそう単純でもありません。
1939年ニューヨーク万博のタイムカプセルには、万年筆や鉛筆などの筆記用具、メガネやかみそりなどの日用品、繊維類、石炭、聖書、紙にして2万3000ページ分の情報が入った極小フィルム等が入れられたようです。
これらは「5000年後に文明が滅びているかもしれないから、現代の生活がわかるものを入れておこう」という基準で選ばれました。
文明が滅びていたら、書物=文字は読めないような気もしますが、まぁ考古学者はいつの時代もいるから解読してくれるでしょう、たぶん。

その後、1965年に同じ場所で開催されたニューヨーク万博でも、すぐ近くにタイムカプセルが埋められました。
どちらも5000年後=6939年(!)に開封予定とのことですが、その年号を使う人は未来に存在してるんですかね。歴史時代(文字ができてからの人類の歴史)はだいたい6000年くらいあるので、ありえないとも言い切れませんけども。

 

日本も埋めてます! 大阪万博で同じく5000年後に向けて

日本でも、1970年の大阪万博のときにタイムカプセルを埋めています。

こちらもやはり5000年後=6970年に開封予定。ニューヨークのものと同時に発見されれば、20世紀の人類について詳しいことがわかるでしょうね。
内容物の保存状態について疑問を投げかけている学者先生方もいらっしゃるようですが、まぁそもそも地殻変動その他でタイムカプセルそのものが壊れる可能性だってありますし、結局は神のみぞ知るということでいいのではないでしょうか。

パナソニックと毎日新聞が大阪万博の年に設置したタイムカプセルのモニュメント。日本の方が、いかにもなタイムカプセル感がありますな/Wikipediaより引用

 

記録を残すなら墨が一番 石板は破損率が高い

さて、タイムカプセルとは直接関係ありませんが、ついでに「記録」に関するちょっとした余談をしておきましょう。

例によってどこで聞いた話か忘れてしまったのですが、記録を残すのに一番優れているのは「墨で書いた文字」なのだそうで。
確かに、1000年前に書かれたお経や書物は、今でもたくさんありますものね。中国では甲骨文字の発祥とほぼ同時期から使われていたようですし、日本でも2世紀に墨で書かれたらしき文字が見つかっています。

石板も保存性という面では墨と同等かもしれませんが、各地の博物館に現存するものが破損しているケースが多いことを考えると、一段落ちますかね。そもそも石板の場合は建物の一部であったことが多いので、戦火や災害の影響を受けやすいですし。

その点、書物や巻物は最初から保存することを念頭に置いていますから、後世に残りやすいのでしょう。

「死海文書」のように、どこかの誰かが隠して忘れられていたものを、一般人が偶然見つけるなんてケースもあります。「この手紙は読み終わったら燃やしてね!」って最後に書いてあっても残されてたりしますし。ちょっと違うか。

洞窟で発見された『死海文書』。巻物の状態で見つかった/Wikipediaより引用

 

どちらかというと、書物の場合は文化的・宗教的な理由で人間がわざわざ燃やすほうが多いですよね。文化の破壊ダメゼッタイ。

現代では学校の授業か、書道家さん・漫画家さんでもなければ墨なんて使いませんよねー。

もしかしたら、何千年か経って考古学者が20~21世紀のことを調べたときに、「墨で書かれたものがほとんどない。この時代の一般人は文字を持っていなかったのか!?」なんてトンチンカンな考えが出るかも……。
電磁記録の類は読み込む媒体がないと見られないですから。

タイムカプセルに千年単位の未来に向けた手紙を入れるのなら、文面は墨で手書きするのが良さそうです。

長月 七紀・記

参考:ニューヨーク万国博覧会_(1939年)/Wikipedia タイムカプセル/Wikipedia

 

 



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