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鬼嫁・独孤伽羅の異常な束縛~キレた夫・楊堅は皇帝なのに家出した

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独孤伽羅
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伽羅の死と共に箍がはずれる楊堅と煬帝(楊広)

妻の死で、ようやく息詰まる生活から解放された楊堅は、ここぞとばかりに側室を置き、寵愛します。

そんな乱れた生活が祟ったのか。

間もなく病気になり、604年に64歳で亡くなります。たった2年しか皇帝としての自由はなかったんですね。

一方、皇帝・煬帝となった楊広。

こいつがやはりヤバかった。

うるさい両親がいなくなって清々したと言わんばかりに、仮面を脱ぎ捨てるのです。

まず行ったのが兄・楊勇や他の兄弟たちの始末でした。

そして大運河建設をはじめとする大規模な土木工事を次々と行い、自身は贅沢な生活を送ります。

しかし、そんなデタラメな政治が続くワケもありません。

度重なる遠征や大工事に怒りを覚えた農民たちが各地で蜂起。

そして618年。

煬帝は近衛兵の反乱によって殺され、隋は滅亡します。

建国からわずか37年という、中国歴代王朝の中でもワースト3位の短さでした。

 

独孤伽羅の功罪

夫を愛し、支え、隋の建国を促した妻・独孤伽羅。

彼女は気丈なだけではなく、読書を好み、倹約を重んじる聡明な女性でもありました。

580年、彼女が夫にハッパをかけなければ、歴史はまた大きく違っていたことでしょう。

一方で、「一夫一妻」という、当時ではマイナーな価値観を重んじすぎ、周囲にも押し付けすぎてしまったことが、トラブルを招き、彼女自身の人を見る目をも曇らせてしまったことは事実です。

それらは、彼女たち夫婦が建てた国・隋のわずか37年での滅亡という結果を招きました。

何事もやりすぎは禁物。

浮気はダメにしても、どこかで息を抜くことができるような寛容さも必要ってことですね。

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文:ヴェルデ(verde)

【参考】
井波律子『中国人物伝Ⅲ、大王朝の興亡、隋・唐 - 宋・元』(岩波書店)(→amazon
ドラマ『独孤伽羅~皇后の願い~ DVD-BOX1』(→amazon
/wikipedia
独孤伽羅/wikipedia
煬帝/wikipedia
独孤伽羅/世界の歴史マップ
夫を愛しすぎた皇后 隋の独孤皇后/中国歴史世界

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