ダイヤモンド・カリナン

カリナンⅠ~Ⅸ/wikipediaより引用

イギリス

驚愕の3106カラット!世界最大のダイヤ原石カリナンは1905年に発見

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世界最大のダイヤモンド原石・カリナン
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呪いと言いつつ82歳まで生きた所有者

その後ホープ家が破産した事により、さらに多くの宝石商の間を渡り歩いたようです。

結婚指輪で人気のハリー・ウィンストンも一時保有していた事があります。

鋭い方なら、ここでお気づきかもしれませんね。

世間一般に知られているホープの呪いは「所有者が次々と不幸な死を迎えた」というものなのに、彼は82歳まで長生きしている上、会社も現在まで存続しています。

ハリーは1958年にホープをスミソニアン博物館(アメリカ)へ寄贈しているため、呪いを免れたと見ることもできますが、その間9年も無事なのです。

いや、それでいいんですけど、この一点だけでも呪いについては疑問符をつけることができそうな気がしてきます。

おそらくはフランス王室が所有していたこと、ルイ16世マリー・アントワネットが非業の死を迎えたことで不吉なイメージが強まったため「”ホープ”は呪われている」と噂されたのでしょう。

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ハリー・ウィンストンの前の持ち主だったエヴェリン・ウォルシュ・マクリーンが話をかなり脚色したという説もあります。

なんせ縁もゆかりもないロシアの女帝・エカチェリーナ2世が所有したとまで言っていたそうですから、呪いの半分くらいは創作していてもおかしくありません。インド人もびっくりの想像力ですね。

ちなみにエカチェリーナ2世が持っていたのは「オルロフ」という名前のダイヤで、同名の愛人から献上されたものだそうです。

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こちらも呪いの噂が絶えない石なので、多分どこかで話がごちゃ混ぜになったんでしょうね。

「オルロフ」は現在モスクワ・クレムリンにある武器庫(という名の宝物庫)に保管されているとか。

公共機関が持ってると呪いって発動しないもんなんでしょうか。ロシアとアメリカが共倒れしたらどうなっちゃうんでしょうね。見たいような見たくないような……。

 


すんごいエメラルド「イサベル」

ダイヤばかりだとつまらんので、他の石についても少しだけ触れておきましょう。

デカイ石に名前がつくというのはここまででなんとなくおわかりになるかと思いますが、ダイヤ以外でもそういうものはたくさんあります。

例えば、スペインが中米のアステカ文明をぬっころしてしまったときに見つけたといわれている「イサベル女王」は964カラット=193gもあるエメラルドです。

エメラルドという石は「構造的には硬いはずが、何故か内側に傷ができるせいで極端に割れやすい」という摩訶不思議な性質を持っているため、これほどの大きさのまま切り出された事自体が奇跡ともいえるシロモノでした。

しかも1756年に大西洋の底に沈んでいながら1993年になってフロリダで見つかるという、呪いとは別の意味で恐ろしい石でもあります。

 


ルビーとサファイアは同じ石

ダイヤとエメラルドときたら次はサファイアとルビーですね。

実はこの二つは鉱物としては同じコランダムという石で、混在する金属によって色が変わります。

コランダム自体に色はなく、ルビーはクロム、サファイアは鉄やチタンが混ざっているので赤や青などの色に見えるのです。

クロムが混入する事は珍しいため、宝石としての価値もルビー>サファイアなのだとか。

世界最大のルビーである「Rosser Reeves Ruby」は138.7カラット、同じく最大のサファイア「インドの星」は約560カラットということなので、価値の差がうなずける話です。

Rosser Reeves Ruby/photo by thisisbossi wikipediaより引用

ルビーとサファイアはどちらもアジア圏が主な産地であり、今でも最高品質の石はほとんどタイやミャンマー、スリランカなどで産出します。

ちなみにエメラルドはコロンビア産のものが質も量も良いそうです。

大航海時代から帝国主義の頃にかけて、欧米列強がこぞってアジアや新大陸を目指したのはこうした宝石目当てでもあったのでしょうね。

紛争中のカシミール地方も、昔はコーンフラワーブルーと言われる極めて深い青色のサファイアが産出していましたので、争う原因の一つになっていると思われます。

カシミール産のサファイアはドンパチのせいなのか掘り尽くしたのかわかりませんが現在ほとんど出回っておらず、1カラット(何度も言いますが200mg)あたり1万ドル以上の値がついたこともあるそうです。

ここまでくると日本円に換算するのもアホらしく感じてきます。

ちなみに、婚約指輪は相手の誕生石(4月以外)にすると安上がr……もとい、ちょっとひねりが効いてて面白いですよね。

誕生石は国によって違いますし、中にはマイナーでも綺麗な石もありますし。


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長月 七紀・記

【参考】
パトリック・ヴォワイヨ『宝石の歴史 (「知の再発見」双書)』(→amazon
JewelleryHousekiMall(→link
カリナン/wikipedia
有名な宝石の一覧/wikipedia

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