ドイツ保守党の集会にて。中央軍服姿の人物がモルトケ/wikipediaより引用

ドイツ

大モルトケのお陰でビスマルクも活躍!? 国家統一に身を捧げた知性のドイツ軍人

これまでの経験や新しい鉄道の建設で「これで勝てる!!」と自信を持っていたモルトケは、ビスマルクから「いつやるか?」と聞かれ「今でしょ!」と答え、すぐさま開戦準備が進められます。
※上記のヤリトリは完全にイメージです

「来た、見た、勝った」
ほどの短期決戦とはならずとも、当時(ナポレオンの七光りで)最強とみなされていたフランス軍相手に1年もかからず勝利を収め、代わってプロイセン軍が世界最高の軍隊と称されるようになります。

この戦果により、神聖ローマ帝国以来まとまりきらなかったドイツ内諸国も「強い軍隊バンザイ!!」ということでプロイセン軍に学ぶようになり、ドイツ統一へ大きな役割を果たしました。

歩兵大将のころのモルトケ/wikipediaより引用

歩兵大将のころのモルトケ/wikipediaより引用

また、モルトケは議員でもあったので、議会で演説をすることもありました。

文才があったこと、教職の経験もあることからか話すのも上手だったそうですよ。
専門である軍事問題のみを取り扱い、簡潔かつ人の悪口が含まれていなかったため、どんな人相手でもウケが良かったとか。

 

80才になっても「辞職は許可しましぇーん」

しかし、さすがのモルトケも加齢による体力の衰えには抗いがたいものがありました。

ドイツ統一のときでも70歳を超えていましたし、80歳になってもまだ現役軍人・議員でした。
体に堪えるのは当然の話です。

しかし、健康を理由に辞職を申し出た彼に対する皇帝(ヴィルヘルム1世)の反応がこれまたスゴイ。

「お前があまりに優秀だから、辞職は許可できない」(意訳)

そんな理由で、辞職届をつき返したのです。
ヴィルヘルム1世のほうが年上ですから「俺より先に隠居するつもりか(#^ω^)」という気持ちもあったのかもしれませんね。

その代わりに、サポートする人間を増やして仕事を軽減するような措置は取ってくれました。……ツンデレ?

 

誕生日には一兵卒から詩が届けられるほど

ヴィルヘルム1世やその後を継いだフリードリヒ3世が亡くなった後、ヴィルヘルム2世によってようやく辞職の許可が出ます。

モルトケ、既に88歳。

ヴィルヘルム2世はあまり良い皇帝とは言えませんでしたが、さすがにこの歳のご老人をいつまでもこき使うことには気が引けたのでしょう。

「正直キツイけど、お前には長生きして欲しいからいいよ」(意訳)
と言い、名誉職のみを残してモルトケの立場も守ってくれました。

ここだけ見ればいい人なんだけどなぁ。

引退してからもモルトケを慕う人は多く、90歳の誕生日には、皇帝以下各地の諸侯達、軍人、各界の名士が盛大なお祝いをしたそうです。

一兵士からも手紙が届いたといいますから、本当に上から下まで慕われていたのでしょう。
普通、平社員が社長の誕生日を祝うとかしませんよね。会社の強制でなければ。

その手紙にはお祝いを表す詩が書かれており、これを読んだモルトケはこう絶賛してます。

「一歩兵ですらこのように美しい詩を書ける我が軍には、やってやれないことは何もないだろう」

モルトケにとってはまさにわが子に等しい自分の軍隊ですから、嬉しかったことでしょう。
自分の功績や後進の働き、現場の人間への信頼から出た言葉なのでしょうね。

 

42才になって義理の姪っ子16才と結婚

ところで、彼は若かりし頃あっちこっちへ行き来していたため、結婚が遅れに遅れていました。

結婚したのは42歳のとき。
しかも義理の姪っ子(16歳)という、これまた常人ではほとんどありえなさそうな道を選んでいます。

子供は生まれなかったそうですが、夕方に夫婦揃って聖書を読むのが日課であったなど、ラブラブぶりが伝わっています。

彼女は結婚から22年後、モルトケ68歳のときに亡くなってしまいます。
26歳もの歳の差があれば歳の順番に……となるはずが逆転してしまったのですから、どれほど悲しんだことでしょう。

その後も再婚せず、さらに90歳で亡くなったときは先立った奥さんの肖像画を見ていたそうですから、本当に愛していたのでしょうね。

モルトケの肖像画1877年コンラート・フライベルク(ドイツ語版)画/wikipediaより引用

モルトケの肖像画1877年コンラート・フライベルク(ドイツ語版)画/wikipediaより引用

軍人というととかく厳しい人を想像することが多いかもしれません。
しかし、そもそも家族や周囲の人に対する親愛が強くなければ国を守れませんから、情の濃い人も多いんですよね。

何をやらせてもデキて、人格も優れているなんてまさに完璧としかいいようがありません。

万が一大河ドラマが「外国人おk」という方針になるようなことがあれば、候補に挙がる人物の一人ではないでしょうか。

長月 七紀・記

【参考】
モルトケ/wikipedia

 



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