明治二十八年(1895年)3月15日は、京都の平安神宮が創建された日です。
名前からして『平安時代に建てられたんだろうなぁ……』と思っていた方も多いかもしれません。
関係はありますが、名前の由来はちょっと違います。
早速その歴史を振り返ってみましょう。
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それは平安京遷都から1100年の節目だった
明治二十八年という年は、平安京遷都から1100年という記念すべき年でした。
さらに、内国勧業博覧会が京都で行われることも決まっていました。
そこで「博覧会の目玉に、平安京当時の大内裏を一部復元しよう」という計画が立てられたのが、平安神宮の始まりです。
平安京は長い歴史の中で何度も興亡を繰り返していますが、幕末の動乱はその最たるもの。
そこから立ち直るためには、日本古来の宗教である神道や神社の存在が欠かせない……という考えもあったでしょう。
しかし、実際に大内裏があった土地を買収できなかったため、少しずれた位置に実物の5/8程のサイズで作ることになりました。
実際のモデルは平安京大内裏のお役所で、朱色で塗られているのも、当時の大内裏を描いた絵を参考としているためです。
公式サイト(→link)の写真をご覧いただくとよくわかると思うのですが、晴れた日の青空とのコントラストが本当に綺麗なんですよね。
平安神宮が建てられた後に、平安京について新たにわかったこともあるので、完璧な再現ではありませんが……それは致し方ないことです。
春夏秋冬、素敵な草花が咲き乱れ
また、平安神宮の庭園は「神苑」と呼ばれるエリアを含めて、約2万坪もの土地を二十年以上かけて作られたものです。
社殿よりも庭園の印象が強い方もいらっしゃるのではないでしょうか。私です。
神苑にはカワセミやオオタカ、ミノガメ・ミナミイシガメなどの珍しい動物も生息しているとか。琵琶湖から池の水を引いているためか、珍しい淡水生物も多いようです。
必然か偶然かはわかりませんが、霊験あらたかな感じがしますね。
神社というと結婚式や◯◯祈願を連想しますけれども、平安神宮の場合は案外、お子さんを連れて行っても楽しめるかもしれません。
春には南神苑にヤエベニシダレ(八重紅枝垂)。
夏は西神苑で花菖蒲が咲き、東神苑には京都御所の移築、中神苑には秀吉が造営した三条・五条大橋の石材を用いた「臥竜橋」など。
それぞれに見どころがあり、桜や紅葉はいわずもがな。
平安神宮だけでも四季を通じて楽しめそうですね。そういう意味では、源氏物語の六条院にも似ているでしょうか。
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