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日本は昔から災害大国?磯田道史氏『天災から日本史を読み直す 先人に学ぶ防災』

更新日:

2018年7月上旬。
梅雨前線の影響で、西日本を中心に記録的な大雨が続いております。

台風8号の接近まで懸念されておりますが、各地の水処理能力はすでに限界を超えていて、河川氾濫や土砂災害で亡くなった方もおられるほど。
6月18日は大阪北部地震があり、関西のライフラインを直撃、家屋や塀が倒壊して大きな被害が出たばかりのことです。

 

こうした自然災害は、今に限ったことではなく、昔から日本では頻発。
歴史も大きく動かしていた――。
というのを意識させてくれるのが、歴史家・磯田道史氏の著作
天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災 (中公新書)
です。
※リンク先はKindle版

著者は『武士の家計簿』で有名な磯田道史氏。
現代文を読むがごとく古文書をスラスラ読解するその道の第一人者であり、私たちにわかりやすい言葉で伝えてくれます

 

実際、他国と比べて災害は多いの?

地震、火山に台風、高潮――。
日本は他国と比べ、体感的に自然災害の多い国だと感じますが、実際はどうなのか?

国土技術研究センターのホームページから引用させていただきますと……。

日本の国土の面積は全世界のたった0.28%しかありません。
しかし、全世界で起こったマグニチュード6以上の地震の20.5%が日本で起こり、全世界の活火山の7.0%が日本にあります。
また、全世界で災害で死亡する人の0.3%が日本、全世界の災害で受けた被害金額の11.9%が日本の被害金額となっています。
このように、日本は世界でも災害の割合が高い国です。(一般社団法人 国土技術研究センター

感覚でなく、自然災害に遭いやすい国ということが分かりますね。
こうした気候や地理条件は昔から大きく変わるものではなく、歴史的に見ても同様のことが繰り返されてきたのは我々にも想像できますね。

 

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豊臣政権に影響与えた二つの地震

第1章は豊臣秀吉の時代です。
日本史好き、特に戦国好きには有名な2つの地震から始まります。

1つめは天正13年(1586年)に日本列島の中央部でおこった大地震「天正地震」。
秀吉による九州征伐の前年ですので、豊臣家の支配体制が完全には確立していない時期の出来事ですね。

この地震では飛騨の帰雲城(かえりぐもじょう)が山崩れによって完全に埋没、城主の内ヶ島一族が全員行方不明となり滅亡した話で知られます。
しかし、その他にも大垣城が全壊焼失、長島城も倒壊となっており、北陸から中部での大きな被害が確認できます。

山内一豊夫婦の唯一の実子である女子がこの地震で命を奪われたのは大河ドラマ『巧妙が辻』でも描かれておりましたね。

本書では、当時の地震の記録を紹介するところからはじまります。
時計の普及していない時期ですので時刻は太陽が頼り。夜中におきた天正地震は亥刻、子刻と記述がまちまちだそうです。

続いて山内一豊の話を書き、徳川家康が地震に救われた話へと続きます。
著書には、
【地震がなければこの2ヶ月後に秀吉は家康を攻め滅ぼす予定であった】
と書いてあります。

徳川攻めの前線基地となる大垣城に兵糧を入れ、真田昌幸宛の書状では家康攻めを明言していたのです。
しかし地震で大垣城は焼け落ち、秀吉の勢力圏であった近江・伊勢・美濃・尾張は震度5-6の揺れで大打撃、一方、家康の領地である三河以東は震度4以下で殆ど被害がなかったため、秀吉が戦を諦める形になりました。

この一連の流れが、色々な史料を少しずつ引用して語ら、気がつけばグイッと本の世界の芯へと引き込まれていきます。

イラスト/富永商太

2つめの地震は文禄5年(1596年)の伏見地震です。

山城国伏見で起きた直下型地震で、完成間近の伏見城は天守も倒壊し秀吉自身も死にかけました。
この時の死者は1000人以上とも言われ、城内だけで600余人が圧死したと言われます。

なぜこのように圧死者が多かったか?

その理由は歴史背景+建築様式の推移にありました。
詳細は本書をお読みになってご確認ください。唸らされますよ。

その他にも上杉景勝の正妻・菊姫(実は武田信玄の娘)が怪力を発揮して、建物出口の梁を支え女中を逃がした――という驚きのエピソードもあります。

結果的に伏見地震は、豊臣政権を崩壊させる引き金となりますが、その話も引用を交え興味深く書かれております。
ちなみに6月18日に大阪でおこった地震の震源は、伏見地震を起こした【有馬―高槻断層帯】に近い場所だそうです。

 

津波時の川は「三途の川」と心得よ

2章以降も地震、噴火、土砂崩れ、高潮、台風、津波と様々な災害が出てきます。
そして殆どの章で、災害から得た教訓が書かれ、現代に活かす方法も提言されているのが素晴らしい。

例えば、【ため池が地震で決壊し、流れ出た水で下部にあるため池が連鎖的に決壊し家屋に被害が出た話】から、現代のため池にも耐震診断が必要という意見はもっともだと膝を打ちました。

“津波時の川は「三途の川」と心得よ”
これなんて見た瞬間にハッ!とさせられる教訓ですよね。
河川を伝わる津波の速度は陸上の2-3倍。何も準備がなければ逃げ切れないことは、東日本大震災で我々は映像を通じて体験しておりながら、おそらく今では警戒心も薄まっているのではないでしょうか。
普段から川を渡らずに高台へ逃げる経路の確認が大事だと感じました。

 

歴史パートでは第4章、災害が変えた幕末史も興味深いものでした。
佐賀藩が軍備を固めるきっかけになったのは台風だった……と、これ以上のネタバレは読書の楽しみを奪いますね。

最終章は東日本大震災からの教訓で結ばれております。

 

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食料&水以外にお薬の備えも

さて、紹介した本とは全く関係ありませんが、医師である私が【災害時の薬】について院内広報誌に著した記事を紹介させて下さい。

【災害に備えましょう】

日本は地震や台風が多い国です。近い将来、東海地震が起こる可能性も言われております。大規模な災害があった場合、本格的な救助が開始されるまでに3日ほどみておく必要があります。その間をしのげる水、食料の備蓄は必須ですが、普段飲んでいる薬についても災害時への備えが必要です。

1週間分程度の薬を非常用袋に入れておくとともに、お薬手帳のコピーや薬剤情報の紙があると便利です。

スマートフォンで撮影をしておくのも良いでしょう。薬には使用期限がありますので数ヶ月で入れ替えて下さい。特にインスリンは成分がタンパク質であり高温で変性してしまいますので『次に使うインスリン』を冷蔵庫から非常用袋やかばんに1本入れておきましょう。注射針も忘れずに用意して下さい。

糖尿病薬は災害時に食料が少ない場合、いつもと同じ量を使うと低血糖を起こす場合があります。災害時の薬について主治医に確認しておくことをお薦めいたします。

文:馬渕まり

文/馬渕まり(忍者とメガネをこよなく愛する歴女医)
本人のamebloはコチラ♪

 

防災グッズ実際に役立つオススメ10選

【編集部より】

過去の記録で地震を学び、そこで我々はどうすべきか?

実はこうした災害では
【3日間は自力で生きられるように備蓄しておこう】
と国や自治体も言っています。

文句を言ったって仕方ありません。
自分の身は自分で守るだけ。

要は、防災グッズ・避難グッズを予め備蓄しておくということですね。

そこで編集部では実際に購入した防災グッズを紹介させていただきます。
すべてAmazonで調達できますので忙しい社会人のみなさんもご安心を。

 

①保存水

何はともあれ水です。

今回私は、各自治体の防災ページを参考にグッズを揃えましたが、とにかく水の重要性をどこでも強調しております。

【注意事項】
・人が一日に必要な水分は2~3リットル
・3日分で10リットルは最低確保(できれば5日分欲しい)
・10年もつ保存水もある

これまでは2リットルの5年保存水を18本(36リットル)持っており、引っ越しを機に10年保存水を追加しました。

それがコチラです。

500ml×24本を3ケース(36リットル)。

Amazonにて購入しました→ 特殊衣料 カムイワッカ麗水 10年保存水

そして購入してから気づきました。
15年バージョンもあったことをorz

たぶん近いうちに買い増しします(´・ω・`)

【15年保存水】ミネラルウォーター「カムイワッカ麗水 500ml×24本セット」

 

②非常食

水をキープしておけば1週間は生きられる。

とはいえ我が家には幼い娘もいて、食をキープしないわけにはいきません。

さらには『もし、ご近所さんに用意がなかったら?』なんてことも考え、大量に買っておきました。
ご挨拶したお隣さんがイイ人だったんで。

こちらの商品は
非常食セット サタケ アルファ米 永谷園フリーズドライご飯 13種セット 5年保存(amazonにて購入)
となります。

ぶっちゃけ、食えれば何でもいいんですが、どうせなら味がバラバラな方が良さそう、ということで上記13食を3セット。
一日3食で一人3日分ですね。

これとは別に以前から買い置きしておいたのが家族3日分ありますので、まぁ、大丈夫でしょう。

※非常食の中には在庫待ち1~2ヶ月とかございますのでご注意を

 

③簡易トイレ

生活用水で最も必要になるのはお風呂とトイレ。
風呂は我慢ができてもトイレはそうはいきません。

となると水を運んでくるしかなく、災害時にかなりの重労働となります。

お風呂には常に水を張っておくと、非常時にトイレを流すのに助かりますが、どうせなら簡易トイレも用意しておこう――。

ということで実際に買ったのが上記の非常用トイレセットになります。

Amazonで購入→驚異の防臭袋 BOS (ボス) 非常用 トイレ セット【凝固剤、汚物袋、BOSの3点セット ※防臭袋BOSのセットはこのシリーズだけ!】 (15回分)

凝固剤と袋がセットになっていて、これだけあれば対応可能というタイプです。

想像よりサイズは小さく、隣のスマホと比べていただければと思います。
下駄箱とかに入れておけば、さして邪魔にはならないでしょう。

 

④普段も使えるポータブル充電池

言うまでもなく今はスマホ時代。
情報の多くはここから入ってきますし、誰かに連絡するときも端末が欠かせません。

そこで一番困るのが電源です。

購入したのはバッテリー パソコン 185Wh MAXOAK 超大容量50000mAh モバイルバッテリーというポータブル充電池です。

USBや2種類の電源端子で、スマホだけでなく、99%のノートPCに対応という製品。
普段からノートPCを持ち歩く機会のある人には超オススメです。

通常のAC/DCアダプタに対応したインバータを買おうか?
とも迷ったのですが、長くても5日間であろう厳しい非常時に必要なのは、携帯性の高いポータブル充電池との判断からです。

 

⑤ラジオ

地震当日、あるいは数日間で貴重な情報源となるのがラジオと言います。

停電してしまったらテレビは使えない。
いざというときは電源の確実なアナログ機器の方が強いんですね。

そこで購入したのが
・充電
・手回し充電
・乾電池
・ソーラ
に対応したSONY製品のラジオソニー SONY ポータブルラジオ ICF-B99(amazonにて購入)です。

なんつーか、ウォークマン世代のおっさんとしてはSONYってだけでひれ伏してしまいますので、いい買い物した感で値段のことは目を瞑れそうです。

 

⑥懐中電灯

懐中電灯はご覧の通り2本購入です。

電池入れっぱなしで液漏れしたりするケースがあるので一つは電池を入れた状態、もうひとつは抜いております。

妻と私、一人一本という使用方法も考慮。
そう高くはない商品なので3つぐらいあっても良かったかもしれません。

もちろんコチラもAmazonで購入、商品名はWsiiroon LED 懐中電灯 XM-L2です^^

 

⑦ガスコンロ

もしも冬に大地震があったら?
絶対に欲しくなるのが温かいお湯類でありましょう。

そこで必須となるのがガスコンロ。
すみません、これだけ撮影を失念しておりましたのでAmazonさんからイワタニ カセットフー 達人スリム 【うす型コンロ / 高さ74mm】 CB-AS-1です。

撮影を忘れた――というのも私に限らず、普段から持っている方も多いと思うんですね。

つーことでイワタニ カセットガス オレンジ 3本組だけ追加して購入しております。

各種情報によると3~5本あると良さそうです。
どれだけあっても将来的に邪魔にはならないものなので、ぜひとも備蓄を。

 

⑧ポリタンク

簡易トイレも飲料水も確保。
となるとその間の生活用水は事足りているなぁ……。

とは思ったのですが、いざというときに備えてポリタンクも用意しました。

それがロゴス 水缶 抗菌広口水コン16です。
16リットルの水が運べます。

Amazonでの評価は散々(★☆☆☆☆)ですが、試しに水を入れてみたところ問題なかったなぁ、と。
ただ、上記のような折り畳みタイプは万が一のことを考え避けた方が良いかもしれません。

それと!
大事なのが自治体が供給してくれる【水ポイント】ですね。

災害時に配給してくれる箇所がいくつかありますので、ご近所を事前にチェックしておきましょう。
特に、都内近郊で徒歩の方は、ちょっとした距離が響いてきますので^^;

なので肩から下げられるタイプか、あるいはキャリアも一緒に用意しておくと良さそうですね。

 

⑨寝袋

冬場に電気もガスも止まったら。
一番つらいのが暖房でしょう。

自宅での避難生活をするにしても、暖房まったくない状態での夜はかなり堪えます。

そこでの寝袋です。
さすがに雪山で過ごすワケではないので、安価なもので済ませておきました。

Amazon's Choiceにも入っているLICLI 寝袋 「丸洗いできる 封筒型 シュラフ 」なら一つ2,499円。
十分でしょう。

 

⑩USB充電式小型ランタン

いざ避難生活を迎えたら、夜の灯は懐中電灯だけで足りない――。

そこで便利なのが小型ランタンです。

下に並べたカッターナイフ(標準型のタイプです)と比べてみてください。
小さいですよね。

スペックは小さくありませんよ。
BRISIE LEDランタン 暖色 電球色はUSB充電で50時間もの連続点灯が可能。

しかもLED電球の使用寿命は100,000時間以上と言いますから、先程紹介しました充電池が一緒にあれば、実質これ一つで乗り越えることが可能ですね。

必要だとは思っちゃいるけど、ついつい面倒になって先延ばしにしがち。

僕もようやく重い腰を上げて購入しました。

今は、胸の中に、そこはかとなくあったモヤモヤが消えて、とても良い気分です^^

文:五十嵐利休(本サイト編集人)




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【買い物情報】
防災グッズ実際に役立つオススメ10選
amazon.co.jp

【参考】
天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災 (中公新書)』磯田道史(中公新書)
JICE
zakzak

 



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