こちらは2ページ目になります。
1ページ目から読む場合は
【塚原卜伝】
をクリックお願いします。
お好きな項目に飛べる目次
将軍様や名門武家など名だたる武将たち
そして弟子グループのもう一つは、戦国武将たちです。
「剣豪将軍」こと足利義輝。
-
刀を握ったまま斃れる壮絶な最期~足利義輝13代将軍の生涯30年まとめ
続きを見る
大河ドラマ『麒麟がくる』でも剣術の見せ場があった細川藤孝(細川幽斎)。
-
細川藤孝(幽斎)は文武芸術に通じた光秀の盟友~されど本能寺後は
続きを見る
家が滅びても妻LOVEで生き残った今川氏真。
-
今川氏真は愚将か名将か~仇敵だった家康や信長と友好的でいた理由
続きを見る
はたまた北畠具教など、錚々たるメンバーが名を連ねています。
武家の名門ばかりですね。
どちらもはっきりした記録がなく「ホントに弟子?(´・ω・`)」という人もいるのですが、まあそれだけ尊敬されていたということですね。
足利義輝や北畠具教は上泉信綱から教わったかも――なんて話もあるので、贅沢やなぁと……。
個人的には、義輝がああいう死に方をしているので、これを聞いたお師匠様の卜伝が何を思ったかとかものすごく興味があります。小説とかでありそうですね。
また、剣の道を極めた人にはままあることですが、卜伝は「戦わずして勝つ」ことも重視していました。
「被害を最小限にして勝つ」ともいえますかね。
これを示す有名なエピソードとして、象徴的なものがあります。それは……。
これが無手勝流だ! ハーッハッハッハッハ!!
あるとき卜伝が琵琶湖を渡る船に乗り、相客と話していたところ勝負を持ちかけられました。
卜伝は面倒だったのか早く目的地に行きたかったのか、なかなか受けようとはしません。しかし相手がしつこいので彼も折れ、「そこまで言うなら一本だけ」ということで別の船に移って近くの小島に向かいました。
相手はあの塚原卜伝と勝負ができるということでwktkdkdk足がつくところまで来たと見るや否や、さっそく降り立ちました。
と、卜伝はここで予想だにしない行動に出ます。
なんと、相手を一人残してそのまま船を再び漕ぎ出していったのです。
呆然とする相手を尻目に、彼は「これが無手勝流だ! ハーッハッハッハッハ!!」(意訳)と呵呵大笑して去っていったとか。確かにその通りだけど……。
相手はその後誰かに助けてもらえたんですかね。
助からなかったらその場で怨霊になっててもおかしくないですけど、琵琶湖にそういう話はあるんでしょうか。ご存知の方はこっそり教えてくださいませ。
鍋蓋対決:武蔵は卜伝の死後に生まれている
また、卜伝と勝負というと宮本武蔵との逸話も有名ですね。
「武蔵が卜伝の食事中に乱入して切りかかったが、卜伝は鍋の蓋で防御して応じた」というものですが、そもそもこの話には重大なミスがあります。
卜伝は信長の時代である元亀二年(1571年)2月11日に亡くなっています。
しかし、武蔵は天正十二年(1584年)頃、つまり本能寺の変の後に生まれたといわれているので、会えるはずがないのです。
-
宮本武蔵の六十余戦無敗ってどこまでガチ? 62年の生涯で水墨画家も
続きを見る
まぁこの話自体が江戸時代あたりに出てきたものらしいので、当時の剣術ファンが
「卜伝と武蔵だったらこういうことできんじゃね!?」
「なにそれかっこいい!!」
「さすが剣聖!俺達にできないことを(ry」
みたいな感じで盛り上がって大ウケした結果、現代まで知られるようになったんでしょう。
話に尾ひれがつくというのは今も江戸時代も変わらないんですね。
卜伝の最期は、剣豪ということで物騒な話かと思われがちですが、意外にもそうではありません。晩年は塚原城の近くに草庵を建て、そこで悠々自適な生活を送られたそうです。
そして前述の通り元亀二年(1571年)に83才で死去。
鹿嶋市に墓所があり、今なお現地を訪れる人が絶えず、ネット上にも訪問者の写真や声が掲載されています。
あわせて読みたい関連記事
-
剣聖 上泉信綱は信玄の誘いを断り修行へ 多くの剣豪育てた新陰流の祖
続きを見る
-
刀を握ったまま斃れる壮絶な最期~足利義輝13代将軍の生涯30年まとめ
続きを見る
-
細川藤孝(幽斎)は文武芸術に通じた光秀の盟友~されど本能寺後は
続きを見る
-
今川氏真は愚将か名将か~仇敵だった家康や信長と友好的でいた理由
続きを見る
-
宮本武蔵の六十余戦無敗ってどこまでガチ? 62年の生涯で水墨画家も
続きを見る
-
幕末最強の剣術は新選組の天然理心流?荒れ狂う関東で育った殺人剣
続きを見る
-
近藤勇が新選組で成し遂げたかったこと 関羽に憧れ「誠」を掲げた35年
続きを見る
-
武蔵を破った唯一の男・夢想権之助~伝説的剣豪の武器は杖だった?
続きを見る
-
サイバー剣豪将軍は鹿島フォースを使うのだ!【戦国浮世絵ANARCHY 2】
続きを見る
長月 七紀・記
【参考】
国史大辞典
『日本剣豪100人伝(歴史群像編集部)』(→amazon)
塚原卜伝/Wikipedia