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【カッコよすぎる日本刀の名前】
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其の七 祢々切丸(ねねきりまる)
昔々、日光の山中に「祢々(ねね)」という妖怪が棲んでおり、近隣の住民は常に脅かされていました。
しかし誰も祢々を退治することができません。
困り果てていたところ「二荒山神社(ふたらさんじんじゃ)」に安置されていた太刀が独りでに抜け、祢々を仕留めて里に平安をもたらしたといわれています。
「祢々切丸」と名付けられたこの刀はなんと刃長2.2m、全長3.4mの大太刀であり、現在でも栃木県日光市の二荒山神社に展示されています。
日光を訪れの際は、ぜひ、妖怪斬りの神剣もご覧あれ!
其の八 一期一振(いちごひとふり)
短刀造りの名手として知られ、日本刀の代名詞ともいわれる「正宗」と並び称される、鎌倉時代中期の名工「粟田口吉光(あわたぐちよしみつ)」。
短刀ばかりを打ち続けた彼が生涯にただ一振り残した長刀が「一期一振(いちごひとふり)」です。
朝倉氏、毛利氏、豊臣氏、徳川氏と歴代戦国武将の手を経て、現在は皇室所有の「御物(ぎょぶつ)」となっています。
伝説のマエストロがただ一振り鍛え上げた名刀。
まさにプレミアム!
其の九 姫鶴一文字(ひめつるいちもんじ)
越後の龍・上杉謙信と、その後継者・上杉景勝の愛刀とされる「姫鶴一文字」。
この美しい名前の刀にはこんな伝説が残されています。
あるとき謙信が、この刀を戦場で振るうには少し長く感じていたため、研ぎ師に命じて磨り上げ(すりあげ・研磨によるサイズダウンのこと)ようとしました。
すると二晩続けて研ぎ師の夢枕に「鶴」と名乗る美しい娘が現れ、刀を縮めてしまわないよう懇願したといいます。
いぶかしく思った研ぎ師はそれを腰物係(刀剣管理の職員)に話すと、彼もまた全く同じ夢を見たというのです。
このことを耳に入れた謙信は姫鶴一文字を磨り上げるのを中止したとされ、何とも幻想的なエピソードとなっていますね。
其の十 ソハヤノツルギ
本来は伝説の征夷大将軍・坂上田村麻呂の愛刀とされ、徳川家康がそれを模して造らせたという業物です。
現在は重要文化財として久能山東照宮に所蔵。
茎(なかご)には「妙純伝持 ソハヤノツルキ ウツスナリ」と文字が切ってあります。
家康は臨終の際、いまだ情勢の安定しない西国を憂慮し、この刀の切っ先を西に向けて安置するよう言い残したとされています。
名前の由来はよくわかってはいませんが、太刀行きが速く鋭いイメージを起こさせ、刀剣のもつ武威を十分に感じさせるカッコいいネーミングではないでしょうか!
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