「ご当地マイナー戦国武将」を紹介させていただく本連載、今回のターゲットは九戸政実(くのへ まさざね)さん!
南部家に仕えた岩手県二戸市の戦国武将で、天下人の豊臣秀吉を相手に【九戸政実の乱】を起こした人物なんです。
まぁ、その結果、戦に敗れて天正19年(1591年)9月20日に斬首されるわけですが、国内では秀吉に立ち向かった最後の武将であり、しかも大軍を相手に約半年も粘ったのは凄い!
なんせ、この御方の武将人生が興味深いのです。
さっそく振り返ってみましょう。
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九戸政実との出会いは『信長の野望』
私が九戸政実さんに初めて会ったのは『信長の野望』でした。
20歳のとき『信長の野望 革新(PS2版)』にハマり、そのとき陸奥(青森県・岩手県)を領地としていた大大名・南部家の家臣として登場。
能力は
統率70
武勇76
知略47
政治42
と、ゲームの数値だけ見れば、正直、使い勝手が良くない武将です。
紹介文である列伝には次のように書かれています。
「南部家臣。信仲の子。南部晴政の死後、弟・実親を後継者に推すが敗れ、叛乱を起こす。南部信直の要請で出陣した豊臣軍相手に善戦するが敗れ、斬首された」
『信長の野望』をやったことがある方は共感していただけると思いますが、あの文章を読むのってめちゃくちゃ楽しいですよね。
秀吉の軍が東北まで来たってホント?
九戸政実さんの列伝を読んだ私は、ふと思いました。
「秀吉の軍が東北に来て戦ったの?」
私ごとですが、本格的に歴史好きになったのが、まさに『信長の野望』を始めた20歳だったので、当時は学校で習った程度の知識しか持ち合わせておりません。
教科書で習った秀吉の天下統一と言えば……
【秀吉の天下統一は1590年(天正18年)の“小田原征伐”によって成し遂げられた】
みたいな感じじゃありません?
※以下は豊臣秀吉と小田原征伐の関連記事となります
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そこに出てきた九戸政実という名前。
「なんだか気になる!」ということで、すぐに調べてみると、小田原征伐の翌1591年(天正19年)に九戸政実さんの反乱を鎮圧するため、秀吉軍が「九戸城」に攻め寄せているではありませんか!
この戦いが【九戸政実の乱】です。
以降、秀吉に歯向かう武将はいなかったのですから「秀吉と戦った最後の戦国武将」ということになります。
しかし教科書では習わない……カッケェえええええ!
グッとくるじゃないですか!
もっと九戸政実さんについて知りたい――そう思って関連書籍を検索してみると、すぐにヒットしました。
『天を衝く 秀吉に喧嘩を売った男九戸政実 (全3巻)』(→amazon)
タイトルでまた厨二心をくすぐられました(笑)。
同書の著者は、NHK大河ドラマ『炎立つ』の原作を書いた岩手県出身の高橋克彦さん。
九戸政実さんは主人公ですので、当然めちゃくちゃカッコ良く描かれており、
『いつか九戸政実さんのゆかりの地を巡りたいなぁ……』
と考えておりました。
そして九戸政実さんを知ってから3年後、ついに私は岩手県二戸市にある九戸城を訪れたのです。
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