九戸政実のパネルと山車(二戸駅)

二戸駅の構内に展示されている九戸政実さんのイケメンパネルと地元の祭りに出陣する山車

戦国諸家

秀吉と敵対した最後の武将・九戸政実! 6万の大軍を相手に九戸城5千で籠城す

2024/09/19

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九戸政実の生涯
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秀吉 真の天下統一

困った秀吉軍は九戸政実さんに、次のような“和議”を申し出ました。

「城内の兵士や領民の命は保障するから開城してくれ」

この時、九戸政実さんに協力した周辺のお城も秀吉軍の手に落ち、後詰(援軍)も見込めなくなってきていました。

わずかでも後詰(援軍)の見込みが無くなれば、勝ち目は完全にゼロ。

籠城の意味は全く無くなります。

天下の軍勢を相手に武士の一分を見せた九戸政実さんは、ついに和睦を受け入れることにしました。

しかし、これは秀吉軍の謀略でした。

城内の者たちは全員撫で斬りにされ、九戸政実自身も、秀吉軍の総大将・豊臣秀次の許へ届けられる途中で斬首されたと伝わっています。

こうして【九戸政実の乱】は終焉を迎え、豊臣秀吉による真の天下統一が成し遂げられるのでした。

なんだか後味悪い終わり方ですよね……。

九戸政実の首は、家臣によって密かに運び出され、九戸家の故郷である九戸村に運ばれて埋葬されたと伝わり、首塚が残されています。

「九戸左近将監政実 首塚」 家臣の佐藤外記が物乞いの姿になって最期を見届け、夜に首を密かに持ち去り埋めたと伝わる

一方、九戸城は秀吉軍の蒲生氏郷により、石垣を使用した城郭に改築。

南部本家の新たな居城となり「福岡城」と改名されました。

ワケありの敵の城をよく居城に出来るなぁ、とか思うんですが、南部本家の居城は江戸時代になって「盛岡城」に移され、福岡城は1636年(寛永13年)に廃城となります。

 


九戸政実さんを祀る「政實神社」

今なお、地元の方々は九戸政実さんを慕い続けています!

福岡城はかつての城名「九戸城」と呼ばれ、現在はその名で史跡に登録。

地元では「九戸政実プロジェクト」も発足し、“戦国ダンシ”と銘打って「九戸政実武将隊」も結成されました。

ちなみに、武将隊は常時募集中で、条件は18歳以上、かつ「九戸政実への熱い想いを持っている方」となっています。

同プロジェクトの公式ホームページには

「マンガで読む戦国ダンシ 九戸政実物語」

もアップされていて、九戸政実さんのゆかりの地についても紹介されています。

是非ご覧ください。

◆公式サイト(→link

また、1995年(平成7年)には、故郷の九戸村に九戸政実さんを祭神とした「政實神社(まさざねじんじゃ)」が建立されています。

九戸政実さんを祀る「政實神社」 九戸神社の一角に建立されている。

昔も今も地元から愛され続ける、秀吉と戦った最後の戦国武将。

九戸政実ゆかりの地を皆さんもぜひ一度巡ってみてください。

📚 戦国時代|武将・合戦・FAQをまとめた総合ガイド

◆れきしクンって?

元お笑い芸人。解散後は歴史タレント・作家として数々の番組やイベントで活躍している。

作家名は長谷川ヨシテルとして柏書房やベストセラーズから書籍を販売中。

【著書一覧】
『あの方を斬ったの…それがしです』(→amazon
『ポンコツ武将列伝』(→amazon
『ヘッポコ征夷大将軍』(→amazon

◆Youtubeも絶賛放映中「それいけ!れきしクンTV」

 


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れきしクン(長谷川ヨシテル)

元お笑い芸人の歴史マニア。埼玉県熊谷市出身。立教大学卒。 大学在学中の20歳で訪れた海外旅行の機内にて、「日本の歴史を知らないまま海外に行こうとしている自分」に気づき、帰国後に本格的に日本史の学習を開始。 その後、同じ読み方の名前を持つ「足利義輝」をきっかけに戦国時代へ傾倒し、以来、歴史コンテンツを楽しく・わかりやすく伝える活動を継続している。 芸人として培った話術と表現力を活かし、テレビ・ラジオ・イベント・ウェブメディアなど多方面で活躍。大河ドラマ『おんな城主 直虎』にも“ちょい役”で出演経験がある。 ◆主な著書 ・『どんマイナー武将伝説』(柏書房、2023年) ・『トンチキ鎌倉武士』(柏書房、2022年) ・『キテレツ城あるき』(柏書房、2022年) ・『ドタバタ関ヶ原』(柏書房、2020年) ・『ヘンテコ城めぐり』(柏書房、2019年) ・『ポンコツ武将列伝』(柏書房、2017年) ◆主な出演 ・2019年10月15日放送 TBS『クイズ!オンリー1 戦国武将』優勝 ・NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』出演 ◆国立国会図書館データ https://id.ndl.go.jp/auth/ndlna/001273473

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