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【鳥取の渇え殺し&三木の干し殺し】
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まだ息のあるうちからナタや小刀でバラバラに
鳥取城には、日本史上、非常に稀である“人肉食”の記録が残っております。
飢えから逃れたい一心で柵をよじ登ると秀吉から容赦のない鉄砲が射かけられ、傷つき倒れていく者が多数おりました。
そこに人々が群がるのです。
まだ息のあるうちから、家畜を捌くが如くナタや小刀でバラバラにして食べた――そんな記録が残されました。
特に頭の部分が美味しいらしく取り合いになったそうで……これについては後述します。
竹中重門(半兵衛の子)が記した『豊鑑』には、このときの様子をこう記しています。
「糧尽きて馬牛などを殺し食いしかども,それも程なく尽きぬれば餓死し,人の宍を食合へり…子は親を食し、弟は兄を食し杯しける」
そんな惨状を見かねたのでしょう。
吉川経家が自らの命と引き換えに城兵・村民の助命を確約し、鳥取城攻めは収束したのでした。
『三木の干し殺し』に対し、こちらの一戦は『鳥取の渇え殺し』と称されております。
こちらもアニィさんのマンガをご覧いただければ、そのときの情景が浮かんでくると思います。
まんが戦国ブギウギ58話 大河ドラマで黙殺された超非道の鳥取城包囲戦
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さてようやく医学の時間がやってまいりました。
今回は良い子のみんなが聞きたいことをQ&A方式でお答えして参ります。
Q 人間は水だけで何日生きていられるの?
A. 元の栄養状態によりますが、文献によると3週間あたりから餓死することがあり、8〜12週間で致命的となるという記録もあります。
まず人は、運動などを全くしていなくても、体温の維持や内臓を動かすのにエネルギーを必要とします。
基礎代謝量と言いまして、30歳・165㎝・60Kgの男性を例にあげると一日に必要なのは約1500kcalとなります。
飢餓が続くと身体は省エネモードになるので、ざっくり1200kcalといたしましょうか。
絶食状態では体内の糖の貯蔵が減るので、主に体脂肪からケトン体を作り、エネルギー源とします。
先ほど挙げた男性の体脂肪率が20%とすると脂肪量は8.4Kg。
体脂肪は1gあたり7kcalですので、ざっくり60000kcalの蓄えがある計算になります。
割り算すると水があれば50日は持つ計算になりますね。
まぁ実際は寝たきりではありませんし、タンパク質や微量元素も不足して身体に不具合が出るでしょう。感染症にも弱くなるので死はもっと早くなります。
幾ばくかの食べ物があれば生存期間は延びるので、水しかなければ籠城2~3ヶ月あたりで餓死者が出始めると推測いたします。
Q 餓鬼のお腹がポッコリ出ているのは何故?
A.『クワシオルコル』という栄養失調状態で、タンパク質が極端に不足した場合、主に子供に起こる症状です。
手と太腿は細いのに膝下からむくみ、お腹がポッコリ出ている状態となります。
身体は痩せているのに何故お腹だけ出るのか?
それには2つの理由があります。
1つ目は『腹水』。
血液中のタンパク質が薄くなると血管から水が染み出し、浮腫や腹水の原因となるのです。
2つ目は『脂肪肝』による肝臓の肥大です。
栄養失調なのになんで脂肪肝?
脂肪肝といえばメタボなオヤジじゃないの?
そう思われるかもしれませんが、肝臓から脂肪を運び出すタンパク質が不足するため肝臓に脂肪が溜まりっぱなしとなり、栄養が無いのに脂肪肝になってしまうのです。
ちなみにエネルギーが全般に足りない場合はガリガリの『マラスムス』という状態となります。
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