まんが戦国ブギウギ

まんが戦国ブギウギ この男があと少し長生きすれば江戸時代はなかった!?

2016/11/20

「王佐の才」という言葉をご存知だろうか?
文字通り「王を補佐して主君を出世させる才能」という意味で、その代名詞的に使われるのが三国志の荀彧であろう。
高度な知識でもって曹操を支えたとされる文官である。

では、日本の戦国時代でこれに当てはまる武将の代表は?
荀彧とはかなりタイプが異なるが、個人的には前田利家を推奨したい。
まだ海の物とも山の物ともつかぬ若かりし頃の織田信長に仕え、これを機に豊臣秀吉とも家族ぐるみで付き合いを進め、同時に徳川家との関係も保って、結果的に加賀百万石を手に入れる。

ひとたび戦場に出れば「槍の又左」と恐れ称され、上記3英傑の天下に多大なる貢献を果たした。実際、前田利家の死が五大老のバランスを崩し、ひいては徳川政権に繋がったとも言えるワケで……。
涙なくしてスクロールできない、利家の最期、とにかく惜しい!哀しい!間違いない!

 

病床にて

戦国ブギウギ20161120-1

◆前田利家と言えば、妻のまつ。
2人は本当に仲が良かったようで実に11名(2男9女)もの子宝に恵まれました。
織田信長お気に入りの茶坊主をぶった斬って利家が一時期、出入りを禁じられたときには(笄こうがい事件)、桶狭間の戦いに勝手に参戦して首を挙げ、後に信長に帰参を許されております。やはり若い頃から相当に熱い人だったのでしょう。
それが急激に力も衰え……。

 


信長さんと秀吉がオレを呼んでいたんだぜ

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◆織田信長・豊臣秀吉・徳川家康ではなく信長・秀吉・利家。
豊臣のサポートに回っていた利家が、天下を望むことはさすがになかったと思われますが、信長と秀吉の天下を支え続けた多大な功績から【4英傑】でマトメた方が自然かもしれませんね。

まんが戦国ブギウギ5話「笄斬り」で若き利家、織田家から追放!

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息子・利長は家康派だった?

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◆秀吉亡き後の豊臣政権は五大老・ご奉行の合議制で進める――そんな決まりを簡単に破ったのが家康でした。

秀吉の死後「伊達家・福島家・蜂須賀家・加藤家・黒田家」等との婚姻を勝手にすすめ、字固めを進めたワケです。もともと気性の激しい方ではありますから、ガチで刺し違えようと思ったらできたかもしれませんね。
そうすれば関ヶ原の戦いも大きく変わったわけで、そもそも起きなかった可能性だってあります。まぁ、歴史にIFは禁物ですが、それだけ利家の存在は大きかった、ということで。

 

いつかの夢みたいに盛大に泣いてくれ

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◆うわぁああああああああああああああああああああああ><;
ひそかに一番好きだったキャラがついに……。わかっていても月日の流れってほんとに切ない。
スピンオフ作品での再降臨、お待ちしております。利家、フォーエバー……。

漫画・アニィたかはし
【毎週・月曜日連載】

戦国ブギウギの書籍版です!


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アニィたかはし

漫画家。現在は武将ジャパンにて、まんが『大河ブギウギ べらぼう編』シリーズを連載中。 2014年より歴史漫画家として活動を開始し、2015年には連載作品をまとめた商業コミック『織田信長の戦国ブギウギ』(鉄人社)を全国発売。 以降、独自のポップ表現と歴史知識を融合させた「ブギウギシリーズ」を継続し、戦国・江戸・幕末など幅広い時代を題材とした作品を制作している。 2024年からは大河ドラマの各回を題材にした“ドラマ考証型マンガ”へと表現領域を拡大し、作品の幅をさらに広げている。 ◆主な著書 『織田信長の戦国ブギウギ』(鉄人社、2015年、ISBN:978-4865370324) ◆国立国会図書館データ https://id.ndl.go.jp/auth/ndlna/001200494

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