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まんが日本史ブギウギ35話 平城天皇わずか3年で弟の嵯峨天皇へ譲位

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    藤原薬子の魅力にどっぷり漬かり、父・桓武天皇の怒りを買った安殿親王(あてのみこ)。
    806年に父が崩御すると同時に平城天皇として即位します。

    平安京へ遷都するなど、精力的な政治を推し進めた桓武時代と比べ、平城天皇の治世は、現代での注目度はさほど高くありませんが、実は色々と画策した人であり。
    それが長じて奈良~平安の男女スキャンダルとして知られる「薬子の変」へと進んでしまうのです。

    今回は事件が起きるまで。
    そこでは一体何がうごめいていたのか、見てみましょう。

    日本史ブギウギ、第35話、スタート!

    桓武天皇には弟・早良親王(この霊の正体・詳細は前回をご参照ください)がおりました。

    皇太子として、皇位を継承する予定もあったこの親王は、藤原種継暗殺事件に関与したとして疑われ、間もなく死んでしまいます。
    ハンガーストライキを敢行しながらの、なかなか壮絶な死でした。

    その後、安殿親王自身も病気にかかるほか、疫病が流行ったり、災害に見舞われるなど、早良親王の祟りはまことしやかに信じられ、何度か鎮魂の儀式も行われるほどでした。

    藤原薬子にしてみても、彼女の父が藤原種継でしたので、色々と思うところもあったでしょう。

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    ◆すったもんだがありながら、せっかく即位した平城天皇も、わずか3年で嵯峨天皇にその座を譲り、自身は平城上皇となって平城京に引っ込んでしいます。

    早良親王らの祟りを畏れたんですね。

     

    ◆平城天皇は息子の高岳親王を皇太子として、嵯峨天皇に譲位します。

    平城天皇の実弟(同母弟)。
    つまり高岳親王は嵯峨天皇にとって甥にあたるわけですね。

    彼も後に薬子の変で皇太子を廃されるのですが、後に弘法大師の十大弟子の一人となり高野山で阿闍梨になるという運命を辿ります。
    そればかりか彼は60歳にしてインドを目指すという、とてつもない偉業に挑戦までしているのです。

    意外なところで繋がる。それが歴史なんですのぅ

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    ◆桓武天皇の時代に、地方行政(国司)を監査するために勘解由使(かげゆし)が設置されました。
    大学受験でも覚えるところの、割とメジャーな役職ですかね。

    これを廃止し、観察使を置いたのが平城天皇です。
    コチラはほとんど試験で出ませんので、ご存じの方も少ないでしょうか。

    即位した嵯峨天皇は、これを廃止します。

    そして両者の対立は後へ戻れない深みへとハマっていくのでした。

    ※次週へ続く

    【過去作品はコチラから→日本史ブギウギ

    著者:アニィたかはし

    武将ジャパンで新感覚の戦国武将を描いた『戦国ブギウギ』を連載。
    従来の歴史マンガでは見られない角度やキャラ設定で、日本史の中に斬新すぎる空気を送り続けている。間もなく爆発予感の描き手である(編集部評)

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    アニィたかはし

    2014年から歴史系の漫画家として活動。
    2015年にはコミック版『戦国ブギウギ』を全国の書店へ向けて発売。
    武将ジャパンでは、従来の歴史マンガには無かった独特のポップ感で『ブギウギシリーズ』を展開している。
    現在は『大河ブギウギ』シリーズを連載中。
    ◆主な著書
    『織田信長の戦国ブギウギ』鉄人社・2015年・ISBN-13 : ‎978-4865370324

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