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漫画『JIN-仁-』を見て抱く3つの疑問~江戸のリアル医療事情とは

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漫画『JIN-仁-』3つの疑問
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疑問三・医者の診療は普通のこと?

冒頭のタイムスリップ直後ではともかく中盤ともなると、見知らぬ人も偉人達も皆こぞって仁先生の治療を受けようとしている。

しかし、江戸時代において「医者にかかる」という概念は本当にそんな気軽なものだったのだろうか?

答えは否である。

特にコレラや天然痘などの伝染病は宗教感と隣り合わせにされることが多く、「祟り」「呪い」といった迷信が原因で病気にかかると言われているほど。

ゆえに「病気になる=医者に行く」という考え自体、漫画・ドラマで描写されているように、そうそう簡単に結び付く発想ではない。

そこで気になる描写がある。

仁先生が活躍するにつれ、江戸中で話題となり、「南方大明神」と生き神様扱いされているシーンだ。

これが、ない話でもない。

めっぽう腕の立つ医者が突如現れ、どんどん治療を施していけば、迷信で起こっている病に打ち勝つ神、という構図で江戸時代の人が考える可能性は十分あろう。

「医者はよく判らないけれど、呪いや祟りなら神様にお願いして助けてもらおう!」

結局のところ、「江戸時代では本当はこうでしょ!」という所はうまくサブキャラからのツッコミや、仁先生の言い訳っぽい言葉で誤魔化されながらストーリーが進んでいく。

「一人の未来人医師が江戸時代にタイムスリップしたらこうなる」

その想像を巧みに活かせたストーリー展開となっている。

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イラスト・文/春原沙菜

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