どうする家康感想あらすじレビュー

どうする家康感想あらすじ

『どうする家康』感想あらすじレビュー第16回「信玄を怒らせるな」

雪が舞う中、誰かが逃げようとしている――。

このドラマは、絵的に派手なシーンをいきなり見せることをやりたがります。

わざとらしく武田菱を見せているからには、誰かが武田家でピンチなんですね。

しかし、思い入れもない奴が捕まったところで何なのか。

腹痛を抱えているっぽい信玄は、なぜ崖の上にいるのか。野菜を摂取して、お腹の調子を整えましょう。

そして例のハイテンションなナレーションと共に、信長が家康の耳たぶカプッ!のシーンを繰り返すとは、よほど大事な場面なのでしょう。

こんなノリが最終回まで続くのか?と考えると離脱者も増えそうです。

浅井長政も先週で出番が終わりだと、大貫勇輔さんが自身のSNSに投稿しました。劇中でわかるようにするか、公式サイトやSNSで表明すべきでは?

朝倉義景は登場すらしないまま。上杉謙信はどうしたのでしょう?

って、そんなことはどうでもええのや!

美少年萌え、美少年推し!

家康を襲った女装美少年を、わざとらしいバイオリンの響きと共に見せてきます。

ただし……この美少年は、本気で家康を殺す気などあったのかどうか、疑問です。

榊原康政本多忠勝という屈強すぎる武将を軽くいなしておきながら、最後の最後で家康を相手に暗殺を失敗してしまう。

結局、おもちゃに飛びつく猫のようでしたし、暗殺失敗後、そんな刺客をきちんと縛っておかない徳川家のセキュリティ感覚にも驚いてしまいます。

しかも、刺客の言葉の陳腐なことよ。くだらない説明セリフの羅列だから、全然心に響かない。貴重な若手俳優に、いったい何を強いているのでしょう。

井伊家の事情は2017年大河ドラマ『おんな城主 直虎』で描かれましたので、本作では不要だったとでも?

まさに「役者を殺すには刃物はいらぬ、駄作大河に出せばいい……」という第16話の始まりです。

 

あらすじ:古の腐女子バージョン

オイイイイイイイイ!

イケメン家康様が、井伊直虎に刺され(?)かけるとかマジ尊すぎませんか?!

これ、このあと肉体関係を持つフラグだよね。これ地上波ですよね……? 先週の耳はむといい、マジリアルで変な声出たw

しかも、虎松きゅんの言葉に傷つく神の君。フラグキタコレw

え、まってまって、ちょっwおまwwBでLですよね、わかりますwww ほんと、無理、尊い……。

さすがに歴戦の腐女子の俺でも、2週連続BLとかしんどすぎる……家族と観てて「あっ…(察し」ってなる。

絶対この2人、肉体関係持つよね。『おんな城主 直虎』とか『鎌倉殿の13人』みたいな、匂わせつつ、やりそうで、やらないとか、ありえないから。

とかなんとか思ってたらテルマエ信玄に対抗するため、上杉と同盟探ろうとしてんだけど。って、阿部寛さんは昔謙信演じていたから紛らわしいんだがw

上杉出して謙信×兼続とかやらないかな……腐った目で見ててすみませんw

ここで源三郎きゅんが出てきちゃったw

てかイケメンの勝頼に激しく攻められててw これ絶対肉体関係できてるよね。瀬名と氏真みたいに「夜伽役」とか言えばいいのに。

大河って地上波ですよね……腐妄想失礼しましたw

先週の耳はむ以来、こういうトーンの記事があったので参照しました。感想は人それぞれですもんね。

◆【どうする家康】信長の “耳カプ” が大反響「リアルに声出た」「普通に見たらボーイズラブ」戸惑う声も(→link

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どうする発声

人間の美貌とは、顔だけでもありません。発声も大事です。

『麒麟がくる』の風間俊介さんを思い出します。

もともと彼は落ち着いた美声の持ち主でしたが、2020年の大河ドラマでは、磨き上げた玉のごとく声の魅力がさらに増してゆきました。劇中で彼の言葉を聞くだけで「この家康は聡明なのだな」と伝わってきた。

それが今年の発声はどうにもいただけません。

わかりやすい例が虎松こと井伊直政でしょう。

まるでファミレスで暴れる高校生のような声であり、本物の女性と見紛うような美貌も台無し。

朝の連続テレビ小説『らんまん』では、自由民権運動の担い手である早川逸馬を、宮野真守さんが熱演しました。

腹の底から響く熱い美声。朝から何と素晴らしいものを聞かせてくれるのだ。明日の朝も待ち遠しい――と思うほどのデキと比べて、愕然とするほど拙い『どうする家康』の発声よ。

これは役者個々人の問題ではありません。制作サイドの指導であり、前回の豊臣秀吉のやる気のない声も酷いものでした。

全体的な底上げを期待します。

 

どうするセキュリティ意識

今週も、冒頭からダメすぎるセキュリティ問題。

捕まった刺客が「井伊虎松(井伊直政)だ」とドヤ顔で名乗る時点でもうダメだ。

刺客は身元を明かさないこともある。敢えて明かすのなら、堂々と名乗って確実に始末する。

『鎌倉殿の13人』の善児とトウは、誰の指示か明かしませんでしたよね。それがプロでしょう。

直政はプロの刺客ではありません。

とはいえ、こんな雑なことをしたら井伊荘に大迷惑がかかります。井伊直虎が知ったら泣く……どころでは済まない大惨事になるかもしれない。

そういう迷惑の危険性を踏まえた上で、この脚本は描かれているのでしょうか?

井伊直政が、一時の感情だけで動く愚か者になるなんて絶句。

『青天を衝け』の井伊直弼描写もひどかったですが、何か井伊家に恨みでもあるのですかね。

井伊はよいところなのに。江戸時代から彦根名物であったという、牛肉は絶品です。

 

どうする見栄え

つくづく目に優しくない大河。徳川家臣団が集う場面を見るだけで、気分が落ち込んでゆきます。

衣装の配色が徹底しておかしい。

このドラマって、各人の衣装をテーマカラーとその類似色でまとめるのですが、それが決定的に格好悪いのです。

ドラマ10『大奥』の徳川綱吉は、朱色の打掛の裏地が鮮やかな緑で、一度見たら目に焼き付きました。そういう補色を使うようなことはないものでしょうか。

あまりに単調で、8bitファミコン時代のドット絵みたいなセンスに思えるのです。

ああいうゲームは、パッと見てわかるよう、単純化していた。初期『信長の野望』の使い回しだらけの顔グラも連想させますね。

しかし、今は、2020年代なんですよ。

なぜそんな謎のレトロ感を出すのでしょうか。

武田信玄の襟だけ赤くてあとは白という衣装も、センスが悪すぎて辛い。

襟だけ濃くするのって、貧乏くさいんです。

江戸時代の町娘の襟が黒いのは、汚れやすいから。そうはいってもあの黒い襟が、堅実さと働き者の印象を引き立てて、とてもチャーミングです。朝ドラ『らんまん』の寿恵子でご覧ください。

本作は、そういう時代劇の衣装センスやルールを無視しているんですね。

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