土方歳三/wikipediaより引用

幕末・維新

鬼の副長・歳三がオシャレに俳句を楽しんでいた~今ならインスタ派?

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もしも近藤がFacebook 土方がインスタを

まずは近藤さんから!

もしも近藤勇さんがFacebookを使っていたら(超絶意訳)

◆近藤勇の漢詩「有感作」
只應晦迹寓牆東
喋喋何隨世俗同
果識英雄心上事
不英雄處是英雄

「思うところがあって投稿します。

こんな時代は、世間からちょっと離れるべきなんじゃないかと思います。

人が軽々しく言うことなんて気にして真似なんかしていられないんです。

俺もやっと英雄の考えがわかるようになったんですよね。

ちょっと英雄ならむしろ考えないかな、ってことがかえって英雄らしい、ってことです」

お次は土方歳三さんの一句!

もしも土方歳三さんがインスタ派だったら(超絶意訳)

◆武蔵野やつよう出て来る花見酒

武蔵野でお花見。つい酒飲み過ぎちゃう……。でもそれが楽しいよね♥

とまぁ、SNS投稿で例えますと、このくらい温度差があるわけですね。

ただしこの両者を比べるのはどうか、とも思います。

武士としての近藤の教養と、あくまで武士デビュー前、俳諧が趣味の商人だった頃の土方。

比較するにしても性質的にまったく違うのです。

土方の俳諧と他の人の漢詩や和歌を並列にして教養レベルや思想を比較するのは、あまり適切ではないわけです(といいつつ、私も本稿でしていますが)。

 

黒歴史というのは本人もわかっている

土方の俳句はあまり上手いとはいえません。

そんな中でも、黒歴史ナンバーワンとされるのは、

しれば迷ひ しらねば迷はぬ(ふ)恋の道

でしょう。

司馬遼太郎の『燃えよ剣』でも沖田総司に「下手だなあ」とダメ出しされた句です。

まぁ、現代人からしてもわかりやすくて、わかりやすいだけに赤面してニヤついてしまうような句なのですが、さすがに土方自身も「これはないな」と思っていました。

丸で囲んで没マークをつけて、それでも没にしきれなくて「恋の道」を「法(のり)の道」に修正したりしたあとが見えます。

それでもあまりに面白いため発掘され、現在でもネタにされてしまうんですね……。

フィクションでは上洛後も俳句を詠む土方ですが『豊玉発句集』は全て多摩時代の作品です。

武士デビュー後は俳諧は止めていました。

人を斬り粛清しながらほのぼの系の俳諧を嗜んでいたら、それはかえって恐ろしい気がしますからね。

くどいようですが土方の俳諧センスはあまり上手ではなく、田舎の仲間同士でわきあいあいと披露しあう程度のものです。

それに俳諧というのは、仲間同士で集まって楽しみあうものです。一人で詠むのはイマイチ楽しくないわけですね。

土方も、京都でわざわざ同レベルの俳諧仲間を作ろうとは思わなかったようです。

そんなわけで武士デビュー後は俳諧から距離を置きながら、その影響は残りました。

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