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【橘曙覧】
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妻との「たのしみは」で始まる歌が52首も!
宣長の加護があったのか。
バカ売れとはいえないにしても、寺子屋のお師匠様と歌人を兼業していたおかげで、少しずつ曙覧(あけみ)の名は高まっていきました。
それでも生活に余裕はなく、弟子からの援助で妻子を養っていたそうです。
アンタいつの間に結婚したんだ?とツッコミたくなるところなのですが、実はまだ実家にいた21歳のときに奥さんをもらっています。
よくこの生活についてきてくれたものですね。
曙覧の歌には日常の小さな幸福を詠んだものが多く伝わっていますので、たぶんずっと同じ女性と仲睦まじく暮らしていたものと思われます。
こんな感じです。
・たのしみは 妻子(めこ)むつまじく うちつどひ 頭(かしら)ならべて 物をくふ時
・たのしみは 三人(みたり)の児(こ)ども すくすくと 大きくなれる 姿みる時
・たのしみは 紙をひろげて とる筆の 思ひの外に 能(よ)くかけし時
・たのしみは ふと見てほしく おもふ物 辛(から)くはかりて 手にいれしとき
この「たのしみは」で始まる歌がなんと52首!
歌人・大田垣蓮月とも交流
何を考えてこうしたのかサッパリわかりませんが、最後の「欲しいと思っていたものをようやく手に入れたとき」などは、現代人にも通じる楽しみですよね。
そういうちょっとした喜びを大切にすると、裕福ではなくても前向きに生きられるのかもしれません。
ちなみに、1861年には伊勢・大和・大坂・京都に出向いて、歌人・大田垣蓮月とも交流を持ちました。
美人すぎる幕末の尼僧・大田垣蓮月~西郷に無血開城を決意させた歌
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西郷隆盛にも影響を与えたとされる美人歌人。
詳細は以下にございますので、よろしければ併せてご覧ください。
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長月 七紀・記
【参考】
国史大辞典
福井市橘曙覧記念文学館(→link)
橘曙覧/Wikipedia