『西郷どん完全版第壱集Blu-ray』/wikipediaより引用

西郷どん感想あらすじ

『西郷どん』感想あらすじ視聴率 第35回「戦の鬼」

本作について、こんなニュースを見かけました。

◆NHK大河ドラマ『西郷どん』で水川あさみの入浴シーン 視聴率は大幅アップに(→link

お龍役の水川は、この回が初登場となったが、番組は冒頭、いきなりお龍の“入浴シーン”からスタート。これに“需要”があったかなかったかは定かではないが、大河としては異例の始まり方に驚愕し、チャンネルを替えなかった視聴者も多かったようで、結果的に上々の視聴率につながったようだ。

えぇと、余計なお世話ながら、提案なんですけど。
せめてメディア関係者さんが歴史ドラマを語るなら、『ゲーム・オブ・スローンズ』を見てからにしませんか?

紛うことなき世界最高ヒットの歴史系ドラマ。
全裸入浴も!
男の全裸も、女の全裸も!
イチャイチャも!
ついでに言えば惨殺シーンも何でも全部ありです。

「大河にヌードやBLを入れるとそれ目当ての視聴者が」というこの手の言説には、もう全て『ゲーム・オブ・スローンズ』を見ろと申し上げたい。

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何が言いたいかって?

大河でやるべきもの。
それは『ゲーム・オブ・スローンズ』にはない、日本の歴史だってことなんですよ。

その点、本作は全然ダメ……。

数分の入浴シーンが視聴者を釣ると本気でお考えですか?

毎年このヌードエロを期待する話が出てきますけど、スマホでエロ動画漁りができる時代ですよ。Amazonプライムで『ゲーム・オブ・スローンズ』が見られる時代ですよ。

それなのに入浴シーンひとつでって、ンなわけあるかーい!

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【一分あらすじ】伏線もないキャラ変にげっそり

大政奉還」を断行した慶喜の裏側には、龍馬(というか土佐藩)の手引きがあったと悟る西郷どん。
俺がイキるためには武力倒幕が必要なんだよ、と繰り返す西郷どんに、ドン引きの龍馬です。

そんな龍馬、暗殺されました。
夫の喪中なのにメイクばっちり、衣装派手なおりょうが、アホっぽい怒鳴り込みをしてきます。

弟・信吾も兄は『何か悪いものでも喰ったのかな』と心配するほどキャラ変しているのに、西郷どんはアホの一つ覚えのように、武力倒幕ムーブをやめません。
なんでやねん。

本作に対して、こんなツッコミがあるようです。

「幕末史を知らない視聴者は理解出来るの?」

ご安心ください。幕末史を知っていても理解できないどころか、ガチギレ必須です。
大河ドラマはフィクションですから、創作が入ってもよいもの。しかし、本作の場合はそのねじ曲げ方に悪意をバリバリに感じます。

ともすれば
「京都と薩摩の人を殺す内戦は悪いけど、東日本はカッコ良く殺すで〜」
という風にも取れてしまう価値観。
幕末に生きていた東日本人を、ホラー映画のゾンビ並程度の扱いにする価値観。

こんなもんを作りながら、
「関東での視聴率ばかり見ないで! 関西では高いんです!」
って、どの口がおっしゃるのでしょうか。

とりあえず、今週は庄内藩に全力で土下座しろ、としか言いようがないです。
はい、それでは詳細を追ってみましょう!

【第35回の視聴率は11.7%でした】

 

今週のOPは大政奉還から

突如、大政奉還を押し進めた徳川慶喜
そこへ松平容保と松平定敬がやってきます。

ここでバカ慶喜、どうせ「政権返されてもバカ公家なんて政治できないっしょw」と思ったことをペラペラと話します。

ただ、見方を変えれば、珍しいことに丁寧な解説。切ないことに、この慶喜の言うことは本当です。
明治政府の初期は、全国規模で国を統治したことのない薩長閥が、グダグダな政治にしてしまいます。

後の不平士族の反乱自由民権運動も、そういう失政への反発があるんですね。

これを受けて、西郷どんは坂本龍馬に【慶喜ぶっ殺す!宣言】をします。
なんか、だっせぇなぁw

結局、無血開城だし、そのあと慶喜が降ったら、奥羽諸藩を八つ当たりみたいにボコボコにする――そんな状況が待っているのに、何をどうシナリオを考えていたら、こんな流れになってしまうのでしょうか。

龍馬に「撃ってみろよw」と凄む西郷どん。
キャラ変が、あまりに唐突で、不自然で、意味がわからない。

もうね、イキりたいから武力やると言い張っている、アホにしか見えない。
今までのウダウダ平和主義者はウソだったの???

んで、西郷どんは「慶喜のことをよく知っている」と言い張るのです。

いや、それもおかしいですって。
島津斉彬西郷隆盛も、そんな危険人物を将軍に担ごうとしていたの?
違うでしょ?

史実では評価の高かった一橋慶喜(徳川慶喜)の器量を、劇中ではガン無視して、ゲスでアホみたいなところに焦点を当てまくったせいで、島津斉彬の人を見る目すらも否定しにかかってます。

あまりに急変な西郷どん。
それにドン引きしたのか、龍馬は乗る船が違うようだと立ち去ります。

そしてここでもしつこい「ええじゃないか」の登場。
龍馬と西郷どん、最後の別れとなりました。

 

藩主親子に出兵を請う

西郷どんは薩摩まで、島津久光(国父)・島津茂久(藩主)の親子に倒幕の許可を取ります。

これは大嘘ですな。島津父子の承諾は、京都でも得ることができたんだな。しかし、西郷どんらは、藩主の意見をガン無視して強引に倒幕決めたんですわ。

しかもこの当時の薩摩。
天災からの復興が課題としてあるわ、金がないわ、そんな遠くまで出兵したくないわで、大反対していたんです。

このあと、西郷どんが寅太郎をあやす場面があります。

だから、こういうクソみたいなヒューマニズムを入れるのが逆効果なんだってばぁ。

自分の妻子は可愛いけど、江戸でテロを起こし、奥羽を戦火に巻き込む――そんな人でなし感が浮かび上がってきてしまうのです。

しかもこのあと、西南戦争で自分の子を危険に巻き込むと思うとなぁ。
ゆるすぎるわ!

 

史実のおりょうさんは、そんな野暮じゃない

このあと近江屋で、坂本龍馬が『武力以外に倒幕のやり方がある』と思っていたところ、刺客に襲われます。
ここはまあ、わりとスタンダードな龍馬暗殺描写。へんなアレンジなし。

刀に映る自分の傷を見る演出が見どころの一つだったでしょうか。

でも盛り上がらない。
照明、殺陣、演出が全体的に物足りない。現場のやる気が尽きていないか心配です。

その後、3千の兵と共に上洛した西郷どんの元へ、おりょうが飛び込んできます。
おりょうのしみじみした嘆き――要は史実と比較すると最低です。

実際のおりょうさんは断髪したのに、ドラマでは派手な衣装に髪型。
しかも西郷どんが犯人と詰め寄るあたり……アホかと。

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史実の彼女は、夫の龍馬が新選組始め、多くの敵から狙われていることくらい知ってました。
西郷どんに怒鳴り散らすほどバカで礼儀知らずだったとも思えません。

「商売したいだけなのに殺されなきゃいけないなんてひどすぎぃ!」
っていうセリフもどういうこっちゃ。
自分の夫が何をしていたかすら知らんの?

大政奉還に関わって、命狙われないわけないでしょ。

ちゃんと歴史を調べて脚本を書いていますか? ねえ?

ここでまたええじゃないか。
はいはい、民衆も倒幕支持アピール?
『花燃ゆ』でも、京都府民の支持があつい長州藩をやたら強調したのを思い出しました。

 

薩摩御用盗を描くのか!

西郷どんは、おりょうの新時代なんていらないという言葉を反芻します。

はぁ……、なんなんですか!

倒幕したいってイキっていたのに、おりょうの言葉ひとつで迷うのかよ。

ここで西郷どん、江戸で浪士五百人を集めるといいます。
で、放火するって!!

お、お、薩摩御用盗やるんだ!!
そこだけはエライ!

よくぞ逃げずに描いた。
西郷どん、ブラックモードだから描けたんですね。

いや、ちと足りねえか。
史実では放火どころか、殺人、性的暴行、強盗までやらかしたんだよなぁ。
ここまでやるなら、相楽総三の斬首もありかもしれません。

 

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このあと、岩倉具視と西郷どんと大久保が、慶喜を追い詰める策を語ります。
ここで慶喜、御所を包囲されたと容保らから聞きます。

にしても、ここまで策士になっても、あまりかっこよく見えない西郷どん。
なんなんでしょうね。

これまでずっと「民のため」と美しい言葉を連ねてきたので、無理しているようで辛い。
ダブルスタンダード野郎にしか見えない。

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