文化・芸術

古文書(筆文字)を読んでみたいなら『六十の手習い 古文書を読む』にトライ!

歴史のテレビ番組などで時折見かける『古文書』。

ミミズが這ったかのような文字で、多少なりとも歴史好きな人でも『うわっ、なんじゃこりゃ!』と思われるのが普通の感覚でしょう。

あんなもん読めるなんて古い時代の人はすげぇ。

さすが貴族や武士は凄まじい教育を受けていたのね。

そんな感想を抱く一方で、ちょっと冷静に考えていただきたいことがございます。

果たして古文書は我々にとって解読不能な外国語なのでしょうか?

豊臣秀吉の書状/wikipediaより引用

こちらは羽柴秀吉さんの書状/wikipediaより引用

たとえば筆まめと言われる伊達政宗さんは、名門一族に生まれ、幼き頃からバッチリ教育をされてきたのでしょう。

しかし古文書は何も平安時代の文学や戦国時代の書状に限ったことではなく、江戸時代にも戸籍や帳簿にシッカリと記されております。

つまり時代が平和になり、読み書きが普及すれば多くの人が読めるものであったハズなのです。

我々のような凡人でも十分に素養はあるんでは……。

要は慣れ!
ってなわけで、出版されたのが『六十の手習い 古文書を読む(→amazon)』であります。

著者の山本光正氏は、かように述べています。

「筆で書かれた崩し字を見ただけで、難しい、昔の人は筆でこのような文字を書いて凄い、と古文書に呑まれてしまう人が多いようです。
凄くも偉くもありません。昔は鉛筆も万年筆もなかったのだから、筆で書かざるをえなかったのです。あなたも江戸時代に生きていたら筆で文字を書いたのです」

言われてみればその通り!

最初から崩し字の辞典などを購入してしまうからプレッシャーがでかくなって先へ進めないだけで、一つ一つ文字に触れていけば必ず読めるようになる――。山本氏はそのように述べてます。

ってなわけで、私も本書にしたがって古文書にトライしてみましたので、皆さんもコチラで一緒にトライしてみたください。

まずは教材文の確認から。

六十の手習い 古文書を読む1

とりあえず例題1の書き出しだけ掲載させていただきました。

上記の筆文字、読めます?

もちろん全部をいきなり解読できるハズはないので、わかる文字から「とにかく書いてみる!」のが重要とのこと。

つーことで、私も実践してみることとしました。

ちなみに大学受験のときは、古文も漢文も捨て教科にしてきましたので、相当に苦手な分野であります(日本史は得意でしたが…)。

では……。

六十の手習い 古文書を読む2

汚い字でスミマセン。
もう一文字目からワケわかめで、一瞬、『蟷螂(かまきり)』の『蟷』なのかと迷いつつも『富』の旧字体なのかな?なんつって書いてみました。

途中の『P』は、もう『ピー』にしか見えません。アルファベットなんて入っているワケないんですが。

終わりの方の「浅代」は「浅香光代」さんの略でしょうか?

しかし、左側の文章は割と簡単ですね。

「合わせてお金が50円なんだか50両なんだか」

えーっと、恥ずかしながら、これぐらいの認識です……。

では、答えを見てみましょう!

六十の手習い 古文書を読む3

一行目は惨憺たる結果でしたが、二行目はほぼ正解!

要はコレ、「お金を預かったという内容」のことが書いてあるようで、初っ端の教材としては、なかなか入りやすいと考えてのチョイスでしょう。

『P』は『申す』の『申』だったんすねー。『甲乙丙』の『甲』と間違えそう。

そして数日後――。

再びトライしてみましたところ……。

六十の手習い 古文書を読む4

答え合わせ
↓

六十の手習い 古文書を読む5

前回よりは確実に成績UP!

毎日やっていればもっと読めるようになり、どんどん長いものへと挑戦していけます。

というか、最近、通勤の最中に毎日ジッと眺めており、自分でも驚くほど頭に入ってくるようになりました。

なお、書籍に収められている例文は、こんなに短くはなくキッチリと文章として成立したものばかり。

以下にそのリストをピックアップしておきます。

手習い一 とにかく読んでみよう
手習い二 借金証文を読む(貨幣が改悪されても新しいお金で払うからね、という内容)
手習い三 事件を読む(僧侶が海に落ちて水死した事件)
手習い四 木版刷りを読む(江戸幕府が出した御触書 町人気分を味わえますね!)
手習い五 日記を読む(千葉県君津市の朝生家の日記 生々しいです)
手習い六 旅日記を読む(伊勢参りの途中で描かれた日記 現代ならブログでしょうか)
補習一 下から上に読む
補習二 変体仮名
補習三 崩し字

受験勉強でもなんでもそうですが、テキストは一冊徹底的にやりこんだほうが絶対に身に付きます。それは古文書も同じことでしょう。

いきなり高すぎる目標を掲げるよりも、この書籍のように身近でとっつきやすいほうが良いかと思います。

古文書を勉強されたい方、まずはお試しにいかがでしょうか?


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【参考】
山本光正『六十の手習い 古文書を読む』(→amazon)
同成社

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    五十嵐利休

    武将ジャパン編集管理人。 1998年に早稲田大学を卒業後、都内出版社に入社し、書籍・雑誌編集者として約30年活動。歴史関連書籍からビジネス書まで幅広いジャンルの編集経験を持つ。 2013年、新聞記者の友人とともに歴史系ウェブメディア「武将ジャパン」を立ち上げ、以来、編集責任者として累計4,000本以上の記事の編集・監修を担当。 月間最高960万PVを記録するなど、日本史メディアとして長期的な実績を築いてきた。 戦国・古代・幕末・世界史の広範な執筆とSEO設計に精通。 ◆2019年10月15日放送のTBS『クイズ!オンリー1 戦国武将』に出演(※優勝はれきしクン) ◆武将ジャパン(団体)国立国会図書館典拠データ https://id.ndl.go.jp/auth/ndlna/001159873

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