命定め(麻疹)

徳川綱吉/wikipediaより引用

江戸時代

綱吉の命も奪った“はしか”は「命定め」と呼ばれ 江戸時代に13回も大流行した

こちらは2ページ目になります。
1ページ目から読む場合は
命定め(麻疹)
をクリックお願いします。

 


江戸時代に13回の大流行 綱吉は64歳で亡くなる

麻疹が原因で死んだ有名人は、前述の通り、犬公方こと徳川5代将軍『徳川綱吉(1646~1709)』が挙げられます。

※以下は徳川綱吉の関連記事となります

徳川綱吉
徳川綱吉は犬公方というより名君では?暴力排除で倫理を広めた人格者

続きを見る

綱吉は宝永6年1月2日、当時流行していた麻疹にかかり、同月10日に死亡しました。

享年64。

成人が麻疹にかかると子供よりも重症化しやすく後遺症も残しやすいので、このとき老年の域にあった綱吉は重症化して亡くなったんですね。

綱吉と聞いてすぐに思い出すのは【生類憐みの令】でしょうか。

実は彼の死後、すぐに廃止となっています。

ちなみにこの法律は、動物を保護するいくつかの法を差しており、そのままズバリ同名の法があったわけではありません。

生類憐れみの令
生類憐れみの令は日本人に必要だった?倫理観を正した“悪法”に新たな評価で考察

続きを見る

徳川綱吉

 


麻疹で知られる傾城の年

綱吉の命を奪った麻疹は「江戸時代に13回ほど大流行した」という記録も残されています。

麻疹は先に説明した通り、一度かかれば生涯二度とかかりません。

予防注射のなかった江戸時代、流行時に麻疹にならなければ、前の流行時にかかって免疫があると推測できます。

だからでしょうか。江戸時代にこんな川柳があります。

麻疹で知られる傾城(けいせい)の年

傾城とは、美女が転じて遊女のことも指します。

彼女らが「私は18歳でありんす」と年齢をサバ読みしても、「あれ? 姐さん、麻疹にかからないけど前の流行は23年前でしたよね……」となるんですね。

昨今は梅毒なども流行していると話題です。

当時はかなり危険な病気でしたが、現在は適切な治療で治る時代。

秋に始まる『大奥』シーズン2では、どうにか赤面疱瘡をやっつけて欲しいものです。


あわせて読みたい関連記事

スペインかぜ
スペインかぜは米国発のインフルエンザ~なぜそんな名称になった?

続きを見る

縄文人とノロウイルス
縄文人は貝ばかり食べて「ノロウイルス食中毒」にならなかったの?

続きを見る

コメントはFacebookへ

武田二十四将・小幡昌盛も犠牲者?田んぼに入った人を殺す日本住血吸虫症

続きを見る

額に矢が刺さった義仲は即死したか?
顔面に矢がぶっ刺さった義仲は即死だったか?考察 鎌倉殿の13人

続きを見る

弓矢・鏃
戦国時代最強の毒はウ◯コ(破傷風)なのか?合戦では矢じりに塗っていた?

続きを見る

文/馬渕まり(忍者とメガネをこよなく愛する歴女医)
本人のamebloはコチラ♪

◆拙著『戦後国診察室2』が発売中です! 皆様、何卒よろしくお願いします!

戦国診察室表紙

 

【参考】
麻疹/wikipedia
厚生労働省(→link
栄研化学株式会社(→link
大阪府立公衆衛生研究所(→link
徳川綱吉/wikipedia
葬仙ネットワーク(→link

TOPページへ


 



-江戸時代
-,

×