1849年(嘉永二年)1月13日、エルヴィン・フォン・ベルツというドイツ人が誕生しました。
「誰?」という声が聞こえてきそうですので、先に何をした人か言っておきますと、明治政府が「ちょっとウチに来ていろいろ教えて貰えませんか」とお願いした”お雇い外国人”の一人です。
では、いかなる経緯でやってきて、日本で何をしたのか?
早速見て参りましょう。
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医師のエルヴィン・フォン・ベルツ
エルヴィン・フォン・ベルツはお医者さんだったので、主に西洋医学を伝えてくれました。
ちょっとニュアンスは違いますが、今で言うALT(外国語指導助手・学校の英語の授業等に来てくれる外国の方)みたいな感じですかね。
ベルツはドイツのライプチヒ大学で医学を修了すると、同大学で講師となっていました。
その後、たまたま日本人留学生の治療を担当したことがあり、そこから日本に興味を持ったようで、1876年(明治九年)に東大医学部の前身である東京医学校に着任。
五年後には愛知県の宿屋の娘さんと結婚しております。
和服を着た写真は、この頃のものでしょうかね。
1913年(大正二年)には夫婦揃って帰国したそうですから、現地妻扱いではなかったようです。よかったよかった。
では日本滞在中はどんな感じだったか?
というと、良いことも悪いことも冷静にビシッと言って(書いて)くれています。
日本は一気に500年分もの進化をしようとしている
ベルツから見た日本の良いところはこんな感じです。
「日本人はたった10年ほど前までヨーロッパの中世と同じような状態だったのに、最近は一気に500年分もの進化をしようとしている」
オイオイ褒めすぎだろ照れるじゃねーか///と思ってしまいます。
が、それ以上に悪いところへの指摘が「仰る通りです」としか……。
「しかし、このように急激な変化をするときには、誤解が起こりやすいものだ」
「教える側はそのようなことがないよう注意しなくてはならないのに、一部は日本の全てを否定し、また別の一部は日本が我々の文化を受け入れることを大げさに賞賛する」
「我々がやるべきは助力するだけでなく、助言することだ」
まだまだ続きますよー。
「不思議なことに、今の日本人は自らの過去を恥じている。教養人ですら『我々は野蛮人で、全く歴史を持っていませんでした』とまで言う人もいる。大変不快だ」
「自国の文化を軽視すれば、かえって外国からの信頼は得られなくなる」
「今彼らに必要なのは、日本の文化を正しく理解し、これからどう生かしていくかを考えることだ」
「もし日本人がアメリカの新聞を読み、全てを真似ようというのであればおさらばである」
ふぅ、ここで一息つきましょう。
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