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日本の火葬
ついでに、日本での葬儀の歴史もさらっと見ておきましょう。
教科書の最初のほうで、縄文時代や弥生時代に土葬された人の写真を見たことがある方も多いと思います。元々日本ではあんな感じで土葬が主流でした。
近年、2世紀ごろに行われたらしき火葬の痕跡が見つかっているので、火葬自体は割と早くから存在していたようですけども。
その後、仏教伝来に伴って僧侶を葬る際に火葬をすることが増え、薄葬令が出た頃はちょうど過渡期にあたります。
平安時代あたりには僧侶だけでなく貴族の間でも火葬が主流になっていく一方で、民衆はまだまだ土葬が主流でした。
これはただ単に燃料=薪を用意する費用や、きちんとお骨にするための技術が広まっていなかったからです。
そのため明治時代あたりまで、火葬はある程度の身分やお金がある人たちがやるものでした。
ただし、明治に入っても「火葬とかやられるとニオイがきつくて迷惑なんですけど」という意見が火葬場周辺から上がります。
そりゃそうなんですが、これに対する政府の反応が非常にマズかった。
「火葬は禁止! これからは皆土葬にしろ!」という法律を出したために、土葬用の墓地が足りなくなったのです。おいおい。
さらには便乗した葬儀業者がこの機会に荒稼ぎしようと値上げをしまくります。世知辛いというか罰当たりというか……。
伝統的に土葬が根付いているエリアも
さすがに政府もこの事態を憂慮。
惨状を放置しておくわけにもいかず、火葬禁止を取りやめ「衛生的にはやっぱ火葬のほうがいいよね!」という方針に切り替えました。
そしてその整備を進めた結果、日本では火葬が主流になったのです。
とはいえ、伝統的に土葬の習慣が根強い地域も残っており、例えば宗教上の理由等で土葬を望む場合でも、そういった地域の施設にお願いすれば可能だとか。
希望がある場合は早めの終活で手を売っておいたほうがいいかもしれませんね。
なお、日本ではほぼ火葬か土葬かの二択ですが、世界には他の葬り方もいくつかあります。
有名なのは自然風化に任せる風葬や、鳥にお願いする鳥葬でしょうか。
どちらも歴史と伝統ある葬儀のやり方ですが、見た目キツイので画像は差し控えさせていただきます。
「私の遺体は鳥や獣を養うため道端に放置しなさい」檀林皇后の凄まじき終活
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最近は散骨や宇宙葬など、葬儀やお墓のあり方も多様化しています。くれぐれも法律と近隣の方のご迷惑にならないようご注意くださいね。
「ネット墓」はそういう意味では一番いいのかもしれません。
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長月 七紀・記
【参考】
国史大辞典
薄葬令/wikipedia