鎌倉・室町時代

89才老将の劇的ラスト! 三浦義明、鎌倉時代を待てず忠義に死す

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治承四年(1180年)8月27日、三浦義明(よしあき)という老将が城を枕に討死しました。

「誰それ」という声が聞こえてきそうなので、早速本題に入っていきましょう。

この事件のポイントは大きく二つ。

一つは平氏という血筋だということ。
もう一つは平氏でありながら源氏と深い関わりを持っていたことです。

 

平氏の血筋ながら頼朝をバックアップ

もともと平氏とは、主に皇族が臣下に下った際に「平」の姓を名乗った人たちの末裔のことです。
そのため一人の皇族の子孫ではなく、桓武平氏や仁明平氏などさまざまな系統があります。

以下に主要なところがまとまっていますので、ご興味のある方はどうぞ。
記事末には、清和源氏の方も掲載しておきます。

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源 ...

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数ある平氏の中でも、歴史上の主要な出来事に名前が出てくるのはほんの一握りでした。

清盛が生まれた伊勢平氏と、板東平氏と呼ばれ関東に拠点を置いた系統です。

板東平氏からはさらにいくつか別の名字を名乗る人々が独立して家を立てており、義明の三浦氏もその一つだったのです。
現在の神奈川県三浦半島に拠点を置いたので、地名をそのまま名乗ったと思われます。

源氏との関わりについては、何となく予測のつく方も多いかもしれません。

三浦氏は上記の通り元々平家サイドだったのですが、義明の娘が源頼朝のトーチャン・源義朝の側室として嫁いでおり、義朝が京を追われて関東に来たときには地盤作りに協力していました。

ざっくばらんに言うと「遠くの親戚より近くの他人」ってことですかね。
困ってたのは義明じゃなくて源義朝ですけど。

この縁があって、義朝が不幸な最期を迎え、さらにその子・頼朝が同じく関東に流されてしばらく後に平氏打倒のため兵を挙げると、義明は「直接血は繋がってないけど、あいつは孫も同然だから手伝ってやろう」と頼朝に味方たのです。

 

大雨で合流できずに

しかし、行軍の途中で大雨に見舞われ、なかなか頼朝と合流できませんでした。

すると、義明の元に
「頼朝が石橋山で敗退した」
という知らせが届きます。

実は、安房(現・千葉県南部)へ逃げていたのですが、当時の連絡手段は手紙等の物理的手段しかないわけですから、このときの義明に詳細は把握できません。

その状況で最も賢明なのは、ひとまず居城・衣笠城(現・神奈川県横須賀市)に帰ることでした。
帰り着いた義明は急いで篭城の支度を整え、戦闘に備えます。

そこへやってきたのが、畠山重忠(しげただ)という武将でした。

因果なことに、彼もまた義明の娘の子供。
つまり孫です。

重忠は重忠で、トーチャン(義明からすると娘婿)が京で仕事をしており、半ば清盛に人質として取られたようなものだったので、不本意だった様子。

立場上致し方ないとはいえ、「孫がジーチャンを殺しに来る」という火サスでもねーよ!な展開になってしまったのでした。いや、あったらスミマセン。

といっても戦闘が始まった直接のキッカケが、別の武士が「手柄挙げるぞおおおおおお!!」と不要なヤル気を出してしまい、重忠の兵に攻撃してしまったという展開で、もしこの人がいなければまた違った流れになっていたのかもしれません。

しかし現実には城方が次第に圧されていき、もはやこれまで……と覚悟を決めた義明は、嫡子・三浦義澄(よしずみ)に後事を託して城から落ち延びさせます。

そして89歳という老体で最期まで戦い抜き、討死したのでした。

 

息子はその後、鎌倉軍で活躍

ちなみに義澄はその後、頼朝に仕え、源義経の逆落としで有名な【一ノ谷の戦い】や、平家の終焉である【壇ノ浦の戦い】、そして奥州藤原氏を滅ぼした【奥州合戦】にも従って名を残しました。

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頼朝死後も二代将軍・頼家の重臣として働いています。
これなら義明も浮かばれたでしょうか。

もし源氏将軍がもう少し続いていたら、義明と義澄は二代に渡る忠臣としてもっと知られていたのかもしれません。

一応、平家物語の異本『源平盛衰記』に登場していて、江戸時代には挿絵にも描かれているのですが、パッと見て源氏方か平家方かわからないせいもあってか、知名度はイマイチです。

昨今はゲームなどでもシニアキャラが必ずいますし、今後、源平時代を扱った作品が出てきたときには、一瞬だけでも登場してもらいたいものです。

「年寄りの冷や水」なんて言葉もありますけれど、義明は最期まで熱く戦い抜いたんですからね。

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長月 七紀・記

【参考】
国史大辞典
三浦義明/wikipedia

 



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