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【頼家の仮面と修禅寺物語】
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修禅寺宝物殿で公開中
頼家の面は、修禅寺宝物館で見ることができます。
そして現地では他にも数多の文物がご覧いただけます。
大河ドラマと関係あるものからそうではないものまで、見応えのある所蔵品がズラリ。
その中でも、やはり頼家の仮面は圧倒的な存在感があります。
実物を見れば、人々がおそろしい伝説を語り継ぎ、岡本綺堂が戯曲を書き上げた気持ちが理解できるかもしれません。
大河で活況の修禅寺観光
かように陰惨な伝説のある修禅寺。
しかし、現在は和やかなで心安らぐ温泉街であり、街歩きやグルメも楽しめます。
春は桜。秋は紅葉。そして竹林の小径。
非常に素敵な場所ですが、『鎌倉殿の13人』ファンにとっては、心苦しく感じてしまう場面もありました。
そう書かれた幟がはためていたのです。
ケチをつけたいわけではありません。大河ファンを呼び込みたい気持ちは十分理解できます。
しかし、ドラマにのめり込んでいればいるほど、「修禅寺に頼家を追いつめ、死なせたのは義時ではないか?」という苦い思いが、どうしたって湧いてしまうのです。
現地では「義時の心を味わおう」といったフレーズの土産菓子も売られてますが、義時の心を味わうのは辛すぎる……なんて思ってしまったり……。
すみません、考え過ぎですね。
旅行は旅行と割り切る楽しみが当然あり、例えば、伊豆の国市には韮山反射炉を由来とする「反射炉ビール」もあります。
頼朝、政子、そして義時ビールもあってオススメ。
大河ドラマ中盤以降はドス黒い人相の悪さを見せる義時ですが、ビールは八重に恋をしていた初期義時のような、フルーティで爽やかな味わいです。
また、同じく修禅寺にある源範頼の墓には、『鎌倉殿の13人』で範頼を演じた迫田孝也さんが参拝していて、彼と同じ場所に立てるのも記念になるでしょう。
残念なことに2022年、2023年に続き2024年も「頼家まつり」は中止になってしまいましたので、来年以降、足を運んでいただくのも良いかもしれません。
『鎌倉殿の13人』を楽しんで、修禅寺も楽しむ。
そして頼家の面を見て、幸薄い二代目鎌倉殿に心を寄せてみる――良きドラマとは、かくも長く影響力を保つものだとしみじみと感じてしまいます。
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文:小檜山青
※著者の関連noteはこちらから!(→link)
【参考文献】
岡本綺堂『修禅寺物語』(→amazon)
修禅寺(→link)
他