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【顔面に矢で即死する?】
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『平家物語』に注目
『平家物語』は、物語特有の“盛った”描写となってしまいますが、中々に感動的です。
宇治川の戦いで敗れた義仲は巴と別れ、乳兄弟である今井兼平らと数名で粟津へ。
最後に兼平と2人になった義仲。

今井兼平/wikipediaより引用
「今日は鎧が重く感じる」と弱音を吐く義仲を兼平が励まし、自分が時間を稼ぐので粟津の松原で自害するよう勧める。
すると五十騎の追っ手が現れ、一緒に討ち死にすると言う義仲。
兼平は「名もない人の家来に討ち取られる不名誉になってはいけない」と返答し、松原方面に逃すと奮戦する。
一人で松原にたどり着いた義仲は、薄氷が張った深田に気づかず馬を入れ、動けなくなってしまう。
兼平はどうなったのだろうか。
気がかりで義仲が後ろを振り返り、仰ぎ見た瞬間、兜の内側めがけて、石田次郎為久が矢を放った――。
おぉ、これはまさしく額に矢がぶっ刺さる感じですねー。
ただし、即死ではなく、義仲が馬の頭に額を押し当ててうつむいていたところ、石田の家来二人がやってきて、首を取ったとあります。
大河ドラマ『鎌倉殿の13人』でもそこまで描写しませんでしたが、同様のことが行われたと脳内補完すればスッキリですね。
ちなみに、義仲が討ち取られたことを知った兼平は、さらに激しい最期を迎えます。
「(義仲なき今)誰をかばうために戦うのか。これを見たまえ、東国の武士たち。日本一の剛の者の自害する手本だ!」
そう言って太刀の先を口に入れるや、馬から真っ逆さまに落ち、果てたようです。
まぁ、矢で即死しなくても、戦場で討ち取られるでしょう。
仮に運よくその日を生き延びることができても、後日、感染症でアウトではないかと思う次第であります。
いずれにせよ武士の意地を感じさせる凄まじい最期ですね。
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文/馬渕まり(忍者とメガネをこよなく愛する歴女医)
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