行基

行基菩薩坐像/photo by INOMANARI wikipediaより引用

寺社・宗教

日本初の大僧正・行基~三蔵法師の孫弟子にして各地の温泉も開いた?

天平二十一年(749年)2月2日、高僧の一人・行基が亡くなりました。

あっちこっちに逸話のある人なので、どこかで聞き覚えのある方も多いのではないでしょうか。

 

民を扇動して良からぬことを企んでますよ

実はお師匠様からしてただ者ではありません。

あの玄奘三蔵法師の直弟子・道昭(どうしょう)だったりします。つまり行基は”三蔵法師”の孫弟子とでも呼べるわけです。

そのためか、発想もどこか似ている節があります。

三蔵法師の西域(インド)への旅は当時の政府に無許可で行ったものでしたが、行基もまた、当時の日本では禁じられていた「民衆への布教」を行っているのです。度胸あるな。

しかも誰かが「あの生臭坊主、民を扇動して良からぬことを企んでますよ!」というようなことをお上に吹き込んだ輩がいたらしく、行基は当局にしょっぴかれてしまいました。

取調べの結果は……。

「ただのいい人じゃん。誰だよアヤシイとか言ったの(´・ω・`)」となり、行基はお咎めなしで、再び仏の道を歩みました。

そしてこの後一つ大きな仕事を任されます。

東大寺の建立です。

 

東大寺の勧進を任され聖武天皇に接見も

東大寺の建立といっても、さすがに行基が設計するのではありません。

寺社の建築などのために説法したり寄付を募る「勧進」を任されたのです。

しかもなんと、聖武天皇自ら行基と語らう場を作ってのことだったそうで。

聖武天皇/wikipediaより引用

確かに聖武天皇って、歴代の中でも信心深いイメージがありますよね。

ただ、有徳の僧とはいえ、一介の聖職者に対してここまでするケースは中々珍しくありませんか?

「既に民衆から人気のあった行基を利用した」という指摘もあるようですが、それにしたってテキトーな人には任せないでしょうから、それなりに信頼はあったのでしょう。

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