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徳川家 本郷和人歴史キュレーション 歴史・戦国NEWS

日本に鈴木姓が多いのは徳川家康と関係が深いから? 本郷和人東大教授の「歴史キュレーション」

更新日:

 

日本中世史のトップランナー(兼AKB48研究者?)として知られる本郷和人・東大史料編纂所教授が、当人より歴史に詳しい(?)という歴女のツッコミ姫との掛け合いで繰り広げる歴史キュレーション(まとめ)。

今週のテーマは「日本に鈴木姓が多いのは徳川家康と関係が深いから?」です!

 

【登場人物】

本郷くん1
本郷和人 歴史好きなAKB48評論家(らしい)
イラスト・富永商太

 

himesama姫さまくらたに
ツッコミ姫 大学教授なみの歴史知識を持つ歴女。中の人は中世史研究者との噂も
イラスト・くらたにゆきこ

 

◆【誰かに教えたくなる話】全国の鈴木さん必読! 日本に「鈴木」姓が多い理由とは? livedoorNEWS 5月21日

イラスト・富永商太

イラスト・富永商太

本郷「えー、今は鈴木さん、2位なんだ。ぼくが若い頃は1位、っていってたように思うんだけど。あ、もちろん、その時の2位、今の1位は佐藤さんだよね」
「私は、佐藤、鈴木の順で認識してるわね。世代の差なのかな」
本郷「ははは。若く見せようと思って、ムリしてるな。まあ、いいんだけど」
「・・・そうじゃないわよ! ・・・でも、この文章に『なぜ、こんなに「鈴木さん」が多いのか。実はあの徳川家康が関係しているともいわれています。家康が生まれた松平家に、昔「鈴木」という名字の人が嫁ぎ、家康の親せきには「鈴木さん」が多かったのだそう。絶対的権力者の家康と関係があると思われるため、この名字を名乗る人が多くなったのですね。』ってあるうけれど、家康の親戚に鈴木さんなんているかしら? あんまり覚えがないんだけれど」
本郷「確かにそうだねえ。『鈴木 家康』でググってみると、この文章にそっくりの記事をすぐに見つけることができるから、記事自体がコピペに近い感じだったのかもね」
「ライター業はたいへんだから、その辺はあんまり突っ込まないことにして、と。話を建設的な方へ持って行きましょうね。本多とか大久保とか酒井とかだと、お、三河武士っていう感じだけれど、鈴木姓ってそんな感じしないじゃない。旗本で、鈴木姓っていうと、どんな人がいるかしら? 知ってたら、教えてちょうだい」
本郷「うーん、だれだろう? あ、鈴木正三はどう?」
「え? その人って禅僧じゃないの? あ、たしかに言われてみたら、『鈴木』正三っていうのよね。お坊さんなのにヘンな言い方ね」
本郷「もともと家康、秀忠に仕えた武士だったんだ。鈴木が姓。俗名の正三(まさみつ)をそのまま法名(しょうさん)にしたという説と、俗名は重三(しげみつ)だったという説がある。ともかく、200石どりの武士だったけれど、42歳で出家して曹洞宗の僧になり、人々に分かり易く仏教を伝えた。当時流行していた仮名草子の手法に則り、『因果物語』・『二人比丘尼』などを執筆して仏の教えを説き、井原西鶴らに影響を与えたんだ」
「キリシタン一揆が起こった天草とも関係が深いのよね」
本郷「そんなんだ。彼の弟で家を継いでいた重成は、700石取りの旗本だったのだけれど、寛永18年(1641年)に天領になった天草の代官に任じられた。彼は荒廃した天草への植民を促したり、再検地を実施する一方で、兄の正三を呼び寄せて説法を行わせて、人々の心のケアを行ったんだね。まあ、そんなやさしいもんじゃなくて、仏教によるキリシタン統制、思想統制という見方もできるけれどさ」
「あら?そういえば思い出した。天草には鈴木兄弟を祀る神社もあるのよね」
本郷「お、よく知っているね。一揆が起きた背景には重税があったと認識した重成は、幕府に対して年貢米の減免を建議したんだけれども、なかなか聞き入れられない。それで、承応2年(1653年)、66歳の時に、訴状を書き残して江戸の自邸で自害した、といわれる。これに慌てた幕府は年貢の半免を許可し、そのために重成は名代官として慕われ、神社に祀られるまでになったんだ」
「へー、そう言う話なのね」
本郷「ただしね、重成の自害は虚構であるという説もあるんだ。その説によると、重成自害の話は昭和になってから突然浮上した作り話だという。重成が66歳で亡くなっていることは間違いないけれど、それはあくまでも病死だ、ってことなんだ」
「あら。でも鈴木神社のHPを見ると、鈴木神社の起源は江戸時代だ、としているわよ」
本郷「そうだね。天草代官職は重成の養子の重辰(正三の実子)に継承されるのだけれど、彼の時代に年貢半減が実現しているのは間違いないし、鈴木重成は自害かどうかは別として、兄の正三、養子の重辰とともに、地元で慕われていたのかもしれないね」
「ほかに、鈴木さんは?」
本郷「旗本では、うーん、知らないなあ。その代わりに、水戸徳川の鈴木さんの話をしよう。司馬遼太郎の小説『尻啖え孫市』やゲームで有名な雑賀孫市の子孫だ」
「あ、あの孫市ね。本姓は鈴木なのよね。でもゲームだと、重意、重秀、重朝なんかが出てきて、どれが孫市かよく分からないんだけれど」
本郷「うううむ。そもそも、孫市じゃなくて、『孫一』だ、っていうしね。ぼくは重秀が有名な孫市だ、とかいろいろとうかつなことを書いて、有名な戦国時代研究家の鈴木真哉さんに怒られたことがあってね。トラウマなんだよ、とほほ・・・」
「あらら、それはご愁傷様」
本郷「まあ、『孫一』はいろいろな人が名乗っていて、その事績がごっちゃになっているらしいね。確実なのは鈴木『孫三郎』重朝が水戸の徳川頼房に仕えて3000石を取ったこと。彼の息子が『孫市』重次で跡を継ぎ、頼房の11男を養子・重義として迎えたことくらいかな」
「水戸藩で3000石なら、相当えらいわよね」
本郷「もちろん、家老職だね。ただ、重義のあとは600石に減ってるようだけれども」
「水戸の鈴木さんはそれくらい?」
本郷「いや、水戸徳川家には、重臣の鈴木さんがいる。こちらは、やっと出てきました、三河武士の鈴木さんだね」
「いるんだ、三河武士の鈴木さん」
本郷「うん。家康に仕えた鈴木重好という人がいてね。彼はやがて近藤秀用(のちに井伊谷藩1万5000石の大名になる)や菅沼忠久らとともに井伊直政に付けられる。それで井伊家の家老になるのだけれども、関ヶ原の戦いの後に混乱があって同家を出て、それから水戸頼房に仕える。知行は5000石だね」
「立派なものね。こちらの鈴木さんは石高が減ったりしないの?」
本郷「多少の前後はあるけれども、代々従五位下に叙されて石見守を名乗り、水戸藩の家老・城代を務めた『鈴木石見守』家がこの流れだね。それでね、水戸藩の関係でいうと、幕末に天狗党の乱ってあったでしょう?」
「ああ、藩内の尊皇攘夷派が天狗党と呼ばれていて、この一派は元治元年(1864年)に筑波山で挙兵するのよね。でもうまくいかなくて西上し、結局加賀藩に投降。翌年、幕府の命令で、天狗党員828名のうち、352名が処刑されるというたいへんな犠牲者を出したのよね」
本郷「そうなんだ。それで天狗党に対抗して、水戸藩の門閥派が結成したのが諸生党。だから、彼らの争いは『天狗諸生の乱』って呼ばれていて、本当に陰惨な殺し合いに発展するんだ。あまりに殺し合いが徹底していたために、明治維新の時に、水戸には人材がいない、っていわれるほどだったんだよ」
「それはすごいわねえ」
本郷「それでね、鈴木石見守家の重棟は諸生党の領袖となり、有名な市川三左衛門らと天狗党の乱後の藩政を掌握したんだ。でも慶応4年(1868年)、明治維新の成立によって諸生党と尊攘派である天狗党の立場は逆転する。重棟はこれはまずいと水戸を脱し、江戸に潜伏したが捕えられ、4月23日、斬罪に処された。享年は30だったんだ。それでね、それではすまずに、小さな男の子二人も斬られた」
「憎悪が渦巻いていたのね。むごい話ね。・・・来週はすかっとする話にしてね」
本郷「はい。努力します」

 

 

 

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