イギリスの全盛期といえば1837年からのヴィクトリア朝(この年に即位)。
なんとなく華やかな時代というイメージで、同時代を舞台にしたフィクションも多く、シャーロック・ホームズシリーズは現在も日本に多数の愛読者がおりますね。
しかし、ヴィクトリア女王その人には、あまりはっきりしたイメージがないかもしれません。
思い浮かぶ彼女の像は、戴冠式を描いた華麗な肖像画。
あるいは晩年の喪服を身につけた気難しい様子の肖像画。
彼女が在位中の時代背景や事件については以下の関連記事に譲り、
在位なんと63年7ヶ月!大英帝国を躍進させた世界一の女帝ヴィクトリア
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今回は、1819年5月24日が誕生日であるヴィクトリア女王の人柄等も見てみたいと思います。
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ヴィクトリアの名は英国王室らしくない
ウィリアム王子とキャサリン妃の間に王女が生まれるとき。
ブックメーカーたちが、王女の名前が何になるか賭けをしていたことを覚えている方もいることでしょう。
結果は【シャーロット・エリザベス・ダイアナ】でした。
祖母からとった「ダイアナ」は例外として、シャーロットとエリザベスは実に「英国王室」らしい名前です。シャーロットもエリザベスも、過去に同じ名の王族女性がいました。
英国王室には男女ともに、王室伝統のファーストネームがあります。
無難なのが親や先祖にちなむもので、通常過去一族にいた名前が選ばれます。
「ダイアナ」の場合、祖母由来とはいえ史上初なので、意外性とウィリアム王子の母への強い思いがこめられた名前といえます。
「ヴィクトリア」の由来は母親でドイツ貴族出身のヴィクトワールの名を英語読みしたものでした。
ヴィクトリア女王在位後は有名になる「ヴィクトリア」という名は、英国王室らしからぬ例外的なものでした。
ハノーヴァー朝はほとんどドイツ人
君主というのは国をまたいだ政略結婚をするため、他国出身の親を持つことが少なくありません。
イギリスの場合、「ほとんどドイツ人」という時代が続きました。
ドイツのハノーヴァー選帝侯ゲオルクから、イギリス国王となり、ドイツ語しか話せなかったというジョージ1世から、ヴィクトリアの前に王位についたウィリアム4世まで、5代にわたり妃がドイツ出身でした。
ヴィクトリア自身も、母と夫がドイツ人です。
【ハノーヴァー朝】英国君主の親と配偶者に占めるドイツ出身者
【ジョージ1世】両親、配偶者ともにドイツ出身
【ジョージ2世】母、配偶者ともにドイツ出身
【ジョージ3世】母、配偶者ともにドイツ出身
【ジョージ4世】母、配偶者ともにドイツ出身
【ウィリアム4世】母、配偶者ともにドイツ出身
【ヴィクトリア】母、配偶者ともにドイツ出身
確かに「ほとんどドイツ」です。
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