信長公記

元亀の起請文で六角封じ!超わかる『信長公記』第81話

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今回から『信長公記』巻五、元亀三年(1572年)の話に移ります。

本文の記述は3月に信長が軍を動かすところからなのですが、いきなり入ると経緯がわかりにくいので、まずは補足をいれさせていただきます。

 

浅井朝倉、本願寺に続き松永も敵に回り

前年までの信長にとって、主な敵は、

◆浅井・朝倉氏
◆石山本願寺

でした。

元亀三年の年が明けてからは、ここに

松永久秀+三好義継

が加わります。

この二人、一時は信長や将軍・足利義昭に味方していたのですが、大坂で信長と戦っていた三好三人衆の側に付きました。
信長が本願寺や浅井朝倉相手に手こずっているのを見て、勢力を盛り返そうと考えたのでしょうか。

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さらに、石山本願寺も動きます。
彼らの本拠は大坂周辺ですが、近江の信徒たちを扇動し、一揆を起こさせたのです。

 

百ヶ所以上の村に起請文を提出させる

加えて、近江の一向一揆と六角義賢も徒党を組んで、信長に反抗し始めます。

信長は佐久間信盛柴田勝家に命じてこれを鎮圧し、付近の村に対して

「今後、六角氏に協力しない」

という、起請文を出させています。
今日では【元亀の起請文】と呼ばれるものです。

起請文を出させた村は百ヶ所にも及ぶといいますから、信長の念の入れようといいますか、うんざりした空気がうかがえますね。

このように敵が増えてしまったため、信長はまたしても【京都~近江~岐阜】ルートを分断されかねない状態になっていたのです。

「前代未聞」「悪逆非道」などと散々にいわれた比叡山焼き討ちですら、たった半年程度で牽制の効果がなくなってしまったということも意味しています。
戦国時代だから、といえばそれまでの話ですが、いやはやなんともはや。

 

浅井朝倉を牽制するための焼き討ち

この状況を打破すべく、信長は近隣の近江から手を付けることにしました。
3月5日に出陣し、まず赤坂(大津市)に陣を布いています。

翌6日は横山(長浜市)へ到着。
7日には浅井氏の本拠・小谷城と山本山の間に野営し、余呉・木本(いずれも伊香郡)を焼き払いました。

このエリアは、元亀二年(1571年)8月(78話参照)にも織田軍によって焼かれているのですが……半年で元いた人たちがある程度復興させていたのか、前回の被害がそこまででもなかったのか、少々気になりますね。
著者である太田牛一の誤記という可能性もありますが。

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まあそれはさておき、9日に織田軍は一度横山へ撤収。
10日には進行方向を変え、常楽寺(蒲生郡安土町)に宿泊していますから、7日の焼き討ちは浅井・朝倉氏への牽制・挑発ということになりますね。

日頃から浅井方では

「織田軍は遠路はるばるやってきて疲れているはず。そこを攻めて、散々に討ち取ってやろう」

というような威勢のいいことを言っていたらしいのですが、このときはまったく動きがなかったとか。
ちょっとカッコ悪いですね。

 

黒母衣衆・中川重政

11日に織田軍は滋賀郡へ向かい、和邇(大津市)に陣を構えています。
そして木戸(大津市)・田中(高島市)を攻め、砦を作り、

明智光秀
・中川重政
丹羽長秀

の三人を配備しました。

中川重政は佐々成政と同じ、黒母衣衆に属していた信長の家臣です。
信長の親族とされていますが、血縁関係は諸説入り乱れており、現代でもはっきりしていません。

後に彼は柴田勝家と領地を巡ってトラブルを起こしてしまい、信長の逆鱗に触れて改易されてしまうのですが……この頃は信用されていたようです。

次はいよいよ本願寺か、それとも浅井・朝倉か……という流れですが、いくつか別の話が挟まります。

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戦国武将データベース

【参考】
国史大辞典
『現代語訳 信長公記 (新人物文庫)』(→amazon link
『信長研究の最前線 (歴史新書y 49)』(→amazon link
織田信長合戦全録―桶狭間から本能寺まで (中公新書)』(→amazon link
『織田信長家臣人名辞典』(→amazon link
『戦国武将合戦事典』(→amazon link

 



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