飛鳥・奈良・平安時代 その日、歴史が動いた

日本初の「街路樹政策」は奈良時代 はじめ果物、江戸時代には「一里塚」で榎

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天平宝字三年(759年)6月22日は、太政官符で並木・街路樹の植栽が決まった日です。

古代に景観を重視した町づくりが行われた……というのは意外な気もします。

「当時がどんな時代だったか」を加味して考えると、おそらくその謎は解けるでしょう。

 

聖武天皇が橘と柳、光明皇后が桃と梨

この施策では、果物の生る木を道沿いに植えることになっていました。

景観の整備目的もあったでしょうが、貧しい人が「もしも」のときに食料を調達できるようにしたのです。
太政官符が出る前の時代から、果樹の植栽は行われていたので、それを「初めて制度化」したといってもよさそうです。

実例としては、聖武天皇が平城京に橘(と柳)、光明皇后が桃と梨の木を植えさせています。仏教への信仰が篤かった二人らしいですね。

聖武天皇/wikipediaより引用

アナログというか原始的ではありますが、福祉政策としてはなかなかのものではないでしょうか。
果物の木であれば、切り倒すかよほどひどい扱いをしなければ、毎年同じ時期に実をつけてくれるのですから、費用も手間も少なくて済みます。

その後も街路樹の整備はたびたび行われ、交通量が増えた江戸時代には、各地の街道に杉や松がよく植えられました。

一番有名かつ大規模なのは、やはり日光杉並木でしょうかね。

あれは東照宮への寄進という面が強いですけれども、元々奥州街道と呼ばれていた道のうち、江戸から東照宮へ向かうあたりに植えられていますから、街路樹といえないこともありません。

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戦後には10%程度の街路樹が切り倒され

現在はどこの国でも、都市の景観のために植えられていることのほうが多いですね。

日本では明治時代にヨーロッパの町並みを真似て、街路樹が増えたといいます。
桜やイチョウなどの落葉樹が多いのも、紅葉・黄葉鑑賞のためでしょうか。

また、戦後には10%程度の街路樹が何者かによって切り倒されたとされています。

時勢が時勢ですし、一般人が燃料確保のためなどで使ってしまったのでしょうか……。
当時、物資が著しく不足した時代だけに、仕方ないでしょう。

というか聖武天皇の発想からすれば、本来の使われ方かもしれません。

最近は掃除の大変さや日照確保、虫害防止のため、街路樹が植え替えられたり撤去されてしまうこともままあるようですが……(´・ω・`)

植物を見ると目にも心にもいいといわれますし、あってもいいですよね。

 

約4km毎に設置された一里塚には榎の木が植えられた

さて、日本史において「道」に設置されたお馴染みのものが、もう一つありますよね。

一休宗純の作とされる
「門松は 冥土の道の 一里塚 めでたくもあり めでたくもなし」
でもお馴染みの「一里塚」です。

一里塚は主に江戸時代に街道へ設置。
その名の通り「一里(約4km)ごとに塚を設け、距離の目印とする」ものでした。

江戸時代には伊勢参りなどで庶民が長距離を旅することもできるようになったので、街道の整備も重要だったのです。

慶長九年(1604年)に江戸幕府から命令が出て、10年程度で全国に設置できたそうですから、幕府の影響力の強さがうかがえます。

一里塚には、えのきの木がよく植えられました。

塚に根を張ってもらって崩落を防いだり、木陰で涼めるようにというねらいだったようです。
意外かもしれませんが、榎の実は食べられるそうですので、街路樹と同じような食料調達の意味もあったかもしれません。

榎の実/photo by KENPEI wikipediaより引用

前述の日光杉並木にも、一里塚が併設されています。
今はほとんど目立たなくなってしまっているようですが、現代ではほとんど意味がありませんし、御役目を終えたということでひとつ。

 

ローマ帝国時代にも

西洋にも
「マイルストーン」
「キロポスト」
など、一里塚と似たようなものがあります。

マイルストーンはローマ帝国時代に作られたもので、1000歩ごとに一つ設置されていました。

「人によって歩幅違うじゃね?」とツッコミたくなるところですが、ローマ帝国に限らず、古代の度量衡は人の指の長さなどを基準にしているのでそんなもんです。

現在ではマイルを用いている国でマイルストーン、km(というよりメートル法)の国ではキロポストという呼び方をしているようですね。

長月 七紀・記

【参考】
街路樹/wikipedia
一里塚/wikipedia
街路樹の歴史/東京都建設局

 



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