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【中国四大美人】
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月も隠れる「閉月美人」貂蝉
時代:後漢末
定番ポーズ:「貂蝉拝月」国を憂い、月を眺めて決意を固めるその姿に、月も雲に隠れてしまったとか
特徴:ほとんどフィクションベースのためか、アレンジ自由自在
欠点:耳の形
最近演じた女優:劉亦菲(リウ・イーフェイ)
『三国志』でおなじみの美女。現代ではゲームキャラクターとしても人気がありますね。
時は後漢末、混乱に乗じて暴虐の限りを尽くす董卓の振る舞いに、貂蝉の養父・王允は心を痛めていました。
そんな養父の姿を見て貂蝉は、国難のために己を犠牲にしようと決意します。
国を憂い、月を眺める貂蝉の美しさのあまり、月が雲に隠れてしまった、と言います。彼女はその美貌で董卓と腹心の部下・呂布を誘惑し、仲違いさせようとしたのです。
計画は成功し、呂布は董卓を暗殺するに至るのでした。
と、ここまでが貂蝉のストーリーなのですが、この逸話も名前も後世の創作です。
※以下は貂蝉にスポットを当てた関連記事となります
三国志に登場する絶世の美女・貂蝉は実在せず?董卓と呂布に愛された伝説の女性
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ただし、元ネタは存在します。
呂布は董卓の侍女と密通しており、発覚を恐れていました。呂布が王允に相談したところ、いっそ討ってしまってはどうか、とアドバイスされます。
つまり呂布に「主君を討たせる気にさせた女性がいた」という点に関しては史実なのです。
このような人物であるためか、創作物では様々なアレンジが為されます。
吉川英治版三国志や、その影響が強い横山光輝版等、日本のフィクションでは呂布が董卓を暗殺した時点で貂蝉は自害、あるいは殺害される場合がほとんど。これは日本特有のアレンジです。
『三国志演義』はじめとする中国版では、董卓の死後も生存して呂布の妾となるパターンが主流です。
『演義』では呂布が曹操に敗北した後はフェードアウトしてしまいますが、演劇ではさらに様々な末路があります。
呂布の死後、関羽と曹操の間で取り合いになったり、争いの種になると関羽に斬殺されるパターンも。関羽の墓から発掘された女性の死体は貂蝉ではないか、なんて話もあったりするとか。
実は、この話の元ネタも存在します。
関羽が呂布の部下の妻に美人がいることを知り、その女性が欲しいと曹操に訴えたものの、結局、曹操が興味を持ってしまい自分の側室にした、という話です。
この手の話は、関羽の神格化が進むとともに忘れ去られていきました。
関羽は死後が熱い!「義」の代表が「万能の神」として崇敬されるまでの変遷
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さらに、元々は美人ではなく、度胸もない普通の女性であったのを、名医・華佗が顔面を交換する整形手術と心臓交換をほどこしたとか。サイボーグかよ! と突っ込みたくなりますね。
それだけ自由にアレンジできるというのが、彼女の特徴でしょう。
ただし、四大美人中で唯一「実在しない」という理由でメンバーから外され、代わりに趙飛燕(前漢成帝皇后)を入れるパターンもあるようです。
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