どっちかというと日本ではイヴのほうが盛り上がるので、既にケーキ同様雰囲気も安売り状態ですけども。
ここはあらためてクリスマスの歴史を振り返ってみましょうか。
あくまで「降り立った」ワケでございます
クリスマス=キリストの誕生日とされています。
が、当のキリスト教では誕生日ではなく「降誕日」として扱われています。
イエス=キリストは神の子として地上に「降り立った」のであって、人間として誕生したわけではない……とされているわけではありません。
そもそもキリストの誕生日は全くもって不明ですし、紀元0年でもありません。
どう考えても冬ではない上、年数としても四年ほどズレているそうです。まあ暦は後から直そうとするととんでもない労力になっちゃいますから仕方ないですね。
もちろん、新約聖書の中に「12月25日」という日付があるわけでもなく、どこの宗派でも断言はしていないとか。
あんだけ盛大に祝っといてマジかよ。
まあ確かに、いくら赤道付近の国生まれとはいえ、気温は日本とほぼ同等ですから、こんな時期に馬小屋で出産しませんよね。多分。
戦国時代に伝えられ、明治になって少しずつ
一説には、古代ローマで信仰されていたミトラ教という宗教でこの時期に冬至のお祭りをしていたので、「めでたいことは一緒にやればよくね?」みたいな感じでごっちゃになったのでは?ともいわれています。
真っ黒な見方をすれば、「キリスト教のお偉いさんが土着のお祭りをかき消すために、わざわざ日付をダブらせた」ともいえるんですね。
でも、ハロウィンにも似たような話があるので一概にデタラメとも……。
ちなみに、日本にクリスマスが伝えられたのは戦国時代のことでした。まあキリスト教伝来がその時期だから当たり前といえば当たり前ですね。
松永久秀がクリスマス休戦をしたとか、宣教師がミサを行ったことが記録されています。
その後は江戸幕府の禁教令によって鳴りを潜めていましたが、明治時代に入ってクリスマス商戦が根付くと、少しずつ一般市民にも広まり始めました。
それが全国的に広まったのは、大正天皇が崩御されたのが12月25日だったからのようです。当時の法律では先代の天皇のお祭り=先帝祭を崩御された日に行っていたので、これによってこの日にお祭りをするのが一般化したのだとか。
大正天皇は元祖マイホームパパというべき家庭的な方でしたし、海外のクリスマスは家族と過ごすのがセオリーですから、奇妙な符合ともいえますね。
残念ながら、現在はまた違った面が大きくなっていますけども。
お釈迦様の誕生日にデカいパーティーしようぜ状態?
経緯は何にせよ、一応信仰を深めるための日なので、本場というか本家本元のバチカン市国では、最近の商業主義的なクリスマスにオカンムリ気味のようです。
さすがにサン=ピエトロ大聖堂(バチカンのアレ)では真夜中に厳かなミサをやっていますからね。
ライトアップされたツリーもあるようですが、ほとんどは他国から贈られたものなんだとか。
強引に例えるとすれば、どこか仏教圏じゃない国で「お釈迦様の誕生日にデカいパーティーしようぜ!」「バーゲンもやっちゃうよ!!」って話になってたら、日本人は「えーっとそれ何かおかしくない?」とか言いたくなりますものね。
既にお彼岸はぼた餅とおはぎを食べる日になってるだろって?
いやいやちゃんとお墓参りに行く人も多いですし(明後日のほうを見ながら)。
どうせならイースター(キリストが復活したとされている日)のほうが確実な気がするんですけども、こちらは暦との関係で日付が変動しちゃうからダメなんですかね。日本人にとっては欠かせない「ハレの日の食べ物」もイースターエッグ=ゆで卵ですし。正教会だとお菓子もあるんですが、多分広まらないでしょうねえ。
国家丸ごとガチのキリスト教にならない限りは、日本のクリスマスは「恋人同士が散財してイチャつく日」という概念が消えなさそうです。
リア中の皆さんは日本経済活性化のため、ぜひ大いに散財しろくださいよろしくお願いします(真顔)
長月 七紀・記
【参考】
クリスマス/wikipedia
ミトラ教/wikipedia