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【アイリーン・アドラーと悪女ローラ・モンテス】
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芸術を愛する国王は美貌も愛し、堕ちていく
ミュンヘン市民は素朴な家庭生活を大事にします。そんな市民の価値観と、ローラの生き方は真逆なのです。
このセクシー過ぎる妖婦は市民に悪影響を及ぼすのでは?
そう考えた当局は、彼女が劇場で踊ることを阻止しようとしたのでした。
が、そのくらいでめげるようなローラではありません。
「宮殿に行って、直接、王にかけあってやるわ!」
彼女は強引に宮殿に乗り込みます。そこには芸術を愛する国王ルートヴィヒ一世がいました。
ローラの評判を知っていたルートヴィヒ一世は、美貌とそのセクシーな肉体に目をみはり、こう尋ねます。
「貴女のそれは、天然ものかね?」
ローラはその問いに答えるため、胴着をはだけました。
すると天然ものの豊かなバストが飛び出し、国王の目を釘付けにしました。
ローラは驚くべき巨乳で、ルートヴィヒ一世はあまりの大きさに「本物なの? 寄せてあげてない?」と疑ったわけです。
ルートヴィヒ一世はローラの天然の膨らみを見ると、たちまち魅了され、上演許可を与えたのでした。ばかりかローラが王立劇場で踊る姿を見ると、国王は「彼女にはすっかり魅了された」と側近に語ります。
ルートヴィヒ一世は美しいものをこよなく愛した芸術家肌で、その中には美しい女性も入っていました。
国王の火遊びには慣れていた側近ですら、今回ばかりは危険ではなかろうか、と危惧しました。
側近たちの予感は的中します。
国王は午後になると、ローラの私室に入り浸り、愛の詩を書き送るようになったのです。
このとき既に年老いていた国王とローラはプラトニックラブだと主張しましたが、周囲は「しらじらしい嘘をつくよなあ」と信じませんでした。
自宅を襲撃した暴徒に対し、シャンパンを振る舞うクソ度胸
年老いた王が若い巨乳美女とロマンスを楽しんだところで、国民にとっては不愉快ではあったでしょうが、たいした事態ではなかったでしょう。
問題は、ローラが政治的野心と自由主義思想の持ち主であったことです。
彼女は自らの考えをルートヴィヒ一世に吹き込み、内閣を解散させるわ、人事に介入するわ、やりたい放題に振る舞い始めたのです。
これに対抗すべく、ローラの政敵は、彼女を「妖婦や魔女」と罵り、悪評を流しました。
が、すっかり骨抜きにされているルートヴィヒ一世は聞く耳を持ちません。
それどころか反対されればされるほど燃え上がるという悪循環となるのです。
ローラは多くの敵を作り、嫌われながらも、国民となり貴族の称号をも得ました。
栄光の一方で嫌われ、自宅を暴徒に襲撃されたりもしています。
しかし彼女は落ち着き払い、暴徒相手に不敵にもシャンパンとチョコレートをふりまきました。
あまりに堂々とした振る舞いには、暴徒たちも唖然としておとなしくなってしまう……。絵に描いたような悪女ではありますが、この度胸にはある種の魅力を感じてしまうのではないでしょうか。
しかし、この恋は、やはり危険過ぎました。
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