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【百年戦争】
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エドワード3世 新武器を試したくてウズウズ
さてこのエドワード3世。
この頃、暗君続きであった中で、やっとイングランドに登場した名君という扱いです。
彼の治世はペストが流行し、人口の四分の一が死亡するという大打撃を受けたものの、彼の父をも含めた暗君時代よりもマシとされてきました。
エドワード3世は高潔さを演出した人物でした。アーサー王の宮廷を真似、最高の栄誉とされるガーター勲章を設立したのも彼です。
しかし、だからといって隣国にヤクザの因縁めいた戦争のふっかけ方をしないわけではありません。
フランスにとって極めて不幸なことに、エドワード3世は新たな武器を試したくてうずうずしていました。
イングランド人の得意武器は伝統的にロングボウ(長弓)。ロビン・フッドの武器でもありますね。
とりわけウェールズ地方の弓兵から習得したその威力たるや、鎧をも貫通するやばいシロモノです。
熟練した弓兵であれば、たくましい馬上の騎士をもバッタバタとなぎ倒すのでした。
「ロングボウでヒャッハーしたい!」
ちなみにイングランドやオーストラリアでは、「裏ピース」、ピースサインを裏側にして相手に見せるジェスチャーは最悪の侮辱とされています。
由来は弓兵です。
フランス軍はイングランドの弓兵を捕縛すると、弓矢を射ることのできないよう、人差し指と中指を切断したとされます。
そのため二本指を見せるというのは「俺の指はまだあるから殺せるぜ、バーカ」という意味になるとか、云々。
ただし伝統的なイングランド弓兵は指を二本ではなく三本使用して射していたため、これは違うのではないか、という説もあります。
話がそれましたので、戻します。
ともかくエドワード3世としては欲求がウズウズ。
「ロングボウで敵兵めっちゃなぎ倒したい!」
そして1340年、その機会が訪れたのです。
ロイスの海戦
戦争の気配を察したフランス側は艦隊を用意しました。
これまた伝統的に凶悪なイングランド側は、フランス艦隊の船に雨あられとロングボウで矢を射ち込みます。
ドーバー海峡はフランス人の血で真っ赤に染まりました。
これを「ロイスの海戦」と呼びます。
「魚もフランス人の血を飲み過ぎて、フランス語ぺらぺらになったんじゃないの」
そんな風にイングランド側が得意になるほどの戦果。
「これはもう、フランス本土でもロングボウ無双するしかありませんなあ」
フランス国民にとっては最悪の展開でした。
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